2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22880030
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
阿見彌 典子 北里大学, 海洋生命科学部, 講師 (20588503)
|
Keywords | メラニン凝集ホルモン(MCH) / 神経ベブチドY(NPY) / オレキシン(ORX) / 脳 / 組織学的相互作用 / マツカワ / 摂食調節作 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
マツカワ脳内におけるMCHとNPYの相互作用を検討することを目的として,まずNPYNPYの脳内分布を調べた.その結果,細胞体は終脳のcommissural part of area ventralis telencephaliと中脳のnucleus of the medial longitudinal fasciculusに検出され,線維は脳内の広範囲で検出された.次に二重免疫組織化学染色によりMCHとの組織学的相互作用を検討した結果,外側隆起核においてMCH細胞体にNPY線維が密接していたが,NPY細胞体付近にMCH線維は見られなかった.以上により,マツカワにおいてはキンギョとは異なりNPYがMCHをコントロールしていることが示唆された. マツカワにおけるORXと摂食調節作用との関連を調べるために絶食実験を行ない,脳内ORX濃度を調べた.その結果,脳内(視床下部・視床下部以外)におけるORX濃度はともに,無給餌群で有意に高かった.ORX遺伝子発現量も無給餌群で高かったことからも(以前の結果),マツカワにおける脳内ORXと摂食との関連が示唆された. MCHを始めとするペプチドホルモンの直接作用を明らかにすることを目的として,マツカワにおけるホルモンの脳室内投与法の確立を試みた.氷冷麻酔後,ドリルを用いて頭頂骨に直径約7mmの穴を開けて終脳後方部を露出させ,パラフィルムで頭部の穴を塞いだ.穴を開けた直後でも摂餌を行うことが確認された.投与の信頼性の検定としてエバンスブルーを脳内に投与し,第3脳室に注入されている事を確認した.また,サイズの異なるマツカワ(全長15~32cm)を用いた結果,飼育,作業の容易さ,および作業後のストレスに対する耐性面から全長20~25cmのマツカワでの投与が最適だと考えられた,さらに,麻酔からの速やかな回復は摂餌量にも影響することから,流水下で行うことが重要であることが明らかになった.以上によりマツカワにおける脳室内ホルモン投与法技術を確立した.
|
Research Products
(3 results)