2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22880030
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
阿見彌 典子 北里大学, 海洋生命科学部, 講師 (20588503)
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Keywords | メラニン凝集ホルモン / 神経ペプチドY / オレキシン / 脳 / 組織学的相互作用 / マツカワ / 摂食調節作用 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
白または黒水槽でマツカワを3ヶ月間飼育し、オレキシン産生量を比較した。白黒水槽の情報が体内に伝わっているかを判断するために、同サンプルにおいて体色暗化作用を有する黒色素胞刺激ホルモン(α-MSH)産生量も測定した。その結果、黒水槽飼育個体の下垂体α-MSH産生量は有意に高く、視床下部内α-MSH産生量は高い傾向が認められた。体色も黒水槽飼育個体群で黒かったことから、背景色の影響を受けていると判断した。さらにその時の視床下部内オレキシン産生量は、黒水槽飼育個体群で高い傾向がみられ、オレキシンも背景色の影響を受ける可能性が示唆された。しかし、本実験において各水槽飼育群間で成長に差は見られなかった。これは本実験での飼育水温23℃が、マツカワにおいて成長率の良い水温(20℃)より高かったために、背景色の影響よりも水温の影響を強く受けたためであると考えられる。 原始的な硬骨魚類とされるチョウザメ(シベリアチョウザメ)における、神経ペプチドY(NPY)とガラニン(GAL)の脳内分布、および、NPYとGALおよび生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)との組織学的相互作用を調べた。その結果、NPY細胞体はventral part of the ventral telencephalon(Vv)に、線維は終脳および視床下部を中心に分布していた。GAL細胞体はVv、nucleus anterioris tuberis、nucleus lateralis tuberis、nucleus recessus posteriorisに検出され、線維は脳内の広範囲に検出された。また、NPY線維はGALおよびGnRH細胞体に密接していた。以上により、シベリアチョウザメ脳内においてNPYとGALおよびGnRH間に相互作用の存在が示唆された。 深海魚ザラビクニンと洞窟魚ブラインドケーブカラシンの脳内におけるメラニン凝集ホルモン(MCH)とα-MSHの分布を調べた。両魚種ともα-MSHは視床下部と下垂体中葉に存在していた。一方、MCHはカラシンでは下垂体への線維の投射が確認されたが、ビクニンでは確認されなかった。
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Research Products
(5 results)