2010 Fiscal Year Annual Research Report
種の多様性と物質循環を考慮した放牧草地の生態系管理手法の創出
Project/Area Number |
22880031
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
鈴木 由美子 北里大学, 獣医学部, 助教 (60583036)
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Keywords | 放牧草地植生 / 全地球測位システム / リモートセンシング / 地理情報システム / 画像解析 |
Research Abstract |
本研究では,放牧草地の生態系構成要素の特性をRS(リモートセンシング),GPS(全地球測位システム)およびGIS(地理情報システム)により解明し,種の多様性や物質循環を視野に入れた放牧草地維持管理システムの構築を目指す。本研究で得られる成果は,広大な放牧草地生態系の評価だけでなく,生態系保全・修復技術の考案にも役立つことが期待できる。 平成22年度は,(1)RSによる植生・草量のモニタリング,(2)植生と土壌理化学性との関係,(3)RSによる間接的な土壌理化学性のモニタリングに重点を置き研究を進めた。RSによる植生・草量のモニタリングでは,グランドベースのシステムとGPSを利用して,構成草種判別および草種別草量の推定が高精度で実行できた(草種判別率:80.3%,草量推定時決定係数:0.71)。また,草種および草量の地理情報マップの生成により,放牧草地内の空間変動を捉えることができた。加えて,草地内の枯死物量の分布推定も高い精度で実行できた(枯死物判別率:99.7%,枯死物量推定時決定係数:0.48)。植生と土壌理化学性との関係解明では,土壌理化学性(窒素成分含量)は草種構成割合の違いを反映している可能性が示唆された。そのため,データの蓄積を図り,複数年度での植生と土壌理化学性について検討する必要があると考えられた。間接的な土壌理化学性のモニタリングでは,有意な成果を得ることができなかった。解析手法およびデータ収集手法を再検討することで,土壌理化学性の推定および空間変動の把握が可能と考えられた。
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