2010 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖機能解明を指向した均一な糖鎖構造を有する糖タンパク質合成法の開発
Project/Area Number |
22880033
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
片山 秀和 東海大学, 工学部, 講師 (30580857)
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Keywords | Pocam基 / 糖タンパク質 / チオエステル法 / Mercaptomethyl基 / セグメント縮合反応 / PylRS |
Research Abstract |
糖タンパク質を化学合成するための鍵反応となる、糖ペプチドセグメントの縮合反応について検討を行った。まず、その縮合反応に有用となる新規Cys残基保護基の開発を行った結果、Pocam基という保護基の開発に成功した。また、縮合反応時に問題となるC末端アミノ酸のラセミ化について、実際のラセミ化度の測定とその抑制法の検討を行った。一方、新たなペプチドセグメント縮合反応として、SerもしくはThr残基部位で縮合反応を行う方法を確立した。続いて、糖タンパク質合成において課題となっている、合成ペプチドに後から糖鎖を導入する反応の開発を行った。特定のAsp残基のみを活性化しチオエステルへと導く方法を確立し、アミノ糖との反応によって糖鎖の導入を試みたが、副反応が著しく、目的とする糖ペプチドを高収率で得ることが困難であった。また、チオカルボン酸とアジド糖との反応を試みることにしたが、固相合成後にペプチドチオカルボン酸を得ることが困難であり、糖鎖の導入を確認することができなかった。この糖鎖の導入反応については、現在さらなる改良を試みているところである。一方、細菌の酵素PylRSおよびtRNAを大腸菌に導入し、様々なLys誘導体を部位特異的に組換えタンパク質に組み込むことを試みた。その結果、発現量があまり高くなかったものの、Lys誘導体が組換えタンパク質に導入されたことが確認された。現在、この組換えタンパク質への糖鎖への導入反応を行い、ネオ糖タンパク質の創成を試みているところである。
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Research Products
(4 results)