2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22890001
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
羽田 沙緒里 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (40581012)
|
Keywords | アルツハイマー病 / γセクレターゼ / 診断マーカー |
Research Abstract |
孤発性アルツハイマー病(AD)の患者数の増加が社会的な問題となっているが、ADの発症機構には未解明な点が多く、確実な診断法や根本的な治療法はいまだ確立されていない。APP(Amyloid Precursor Protein)はADの原因因子の一つであり、AD特異的に脳への蓄積が見られる老人斑の主要構成成分アミロイドβ(Aβ)の前駆体である。Aβの量的・質的変化がAD発症に関与していると考えられるが、Aβは凝集性が高いため、その変化を捉えるのは難しい。本研究はAPPと同じ酵素で同じ代謝様式で代謝を受け、生理的機能や局在も相同であるI型膜タンパク質Alcadein(Alc)に着目し、凝集性の低い代謝産物p3-Alcの解析を行うことによって、孤発性AD発症メカニズムの解明および新たなAD診断法の開発を目的としている。 Alcは、Alcα、Alcβ、Alcγの3つのファミリー分子からなり、それぞれのファミリー分子から分泌されるp3-Alcをp3-Alcα、p3-Alcβ、p3-Alcγと呼ぶ。これまでにp3-Alcαとp3-Alcβを脳脊髄液(CSF)中から検出可能であることを明らかとしてきた。本年度はまずCSF中のp3-Alcαとp3-Alcβを定量的に解析可能なsELISAの系を確立した。さらに、このELISA系を用いてnonAD、AD患者のCSF中のp3-Alcの量的変化の解析を行った。その結果、AD発症の初期段階の患者CSF中ではp3-Alcα、p3-Alcβが共に有意に増加することを見出した。このことよりp3-AlcをADの新規バイオマーカーとして応用できる可能性を示唆した。
|
Research Products
(14 results)
-
-
[Journal Article] Increased amyloidogenic processing of transgenic human APP in X11-like deficient mouse brain2010
Author(s)
Kondo, M., Shiono, M., Itoh, G., Takei, N., Matsushima, T., Maeda, M., Taru, H., Hata, S., 他3名
-
Journal Title
Molecular Neurodegeneration
Volume: 5
Pages: 35
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Expression and localization of Alcadein along with X11L and APP in mouse brain2010
Author(s)
Piao,Y., Gotoh, N., Kondo, M., Saito, Y., Hata, S., 他3名
Organizer
Alzheimer's Association ICAD2010
Place of Presentation
Honolulu USA
Year and Date
20100710-20100715
-
-
-