2010 Fiscal Year Annual Research Report
ラット下部尿路閉塞モデルに対する抗血小板剤の膀胱血流および膀胱機能保護効果
Project/Area Number |
22890012
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
松本 成史 旭川医科大学, 医学部, 講師 (10288912)
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Keywords | 下部尿路閉塞 / 膀胱血流 / 膀胱線維化 / 膀胱機能 |
Research Abstract |
本研究をスタートするに際し、下部尿路閉塞(BOO)モデルは、従来施行していた通りで、問題なく作成出来た。BOOモデル4週間作成にて、膀胱重量は既報の通り、sham controlの3-5倍に増加し、膀胱壁の肥厚、膀胱線維化を生じている事が確認された。実際に勝胱機能の変化(BOOによる膀胱機能低下)を検討するために、膀胱内圧測定検査では、膀胱容量増加と膀胱収縮力の低下は認められたが、等尺性張力収縮実験のデータは、その装置の設定等に時間を要し、十分なデータを得るまでには至らなかった。少なくともBOOモデルによって、膀胱線維化が進展し、膀胱機能低下(低活動性膀胱)になっていることは確認出来た。本研究テーマである抗凝固剤(PDE3阻害剤)の有効性の確認として、薬物:cilostazol(大塚薬品)の提供を受け、ラットに様々な投与方法で安定性を予備実験したが、ばらつきが非常に大きい事が分かったため、現在、餌に混合する方法で、cilostazolをdose毎に混餌し、ラットに自然摂取させ、その血中濃度の安定性を確認している所である。この投与方法で問題なければ、早々と薬物の効果・効能実験を遂行できる状態である。 平成22年度の研究実施計画は、実験系の確立およびBOOモデルにPDE3阻害剤:cilostazolの有効性の確認であったが、研究スタートの準備、機器の安定性等が主な仕事となり、有意義なデータを得るまでの進捗は無かった。しかし、実験の機器の準備、および混餌の準備は終了したため、平成23年度は、これらのベースを基に、平成22年度分も含めて、本実験に着手する予定である。
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