2011 Fiscal Year Annual Research Report
潰瘍性大腸炎感受性遺伝子NKX2.3が感受性を亢進させる分子メカニズムの解明
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22890019
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
志賀 永嗣 東北大学, 病院, 医員 (20583355)
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Keywords | NKX2.3 / 潰瘍性大腸炎 / 感受性遺伝子 / allelic imbalance |
Research Abstract |
炎症性腸疾患を対象としたGenome wide association study(GWAS)のメタ解析によって、NKX2.3が潰瘍性大腸炎感受性遺伝子候補であることが示された。NKX2.3が感受性遺伝子であることを確定するために以下の研究を行なった。NKX2.3遺伝子領域のTag SNPを用いて、日本人潰瘍性大腸炎と相関するハプロタイプおよびリスクハプロタイプを同定した。同定したリスクハプロタイプが、NKX2.3遺伝子機能・発現にどのような影響を与えるかを明らかにするために、約10名の被験者よりDNAとPBMC由来のmRNAを用いて、allelic imbalanceアッセイを行った。その結果、リスクハプロタイプ由来のmRNAの発現が非リスクハプロタイプ由来のmRNAの発現に比較し亢進していることが確認され、リスクハプロタイプが炎症性腸疾患の発症を促進するメカニズムとして、NKX2.3の発現更新が一因として考えられた。 特定されたリスクハプロタイプは通例10kb以上の長さを有する。どの位置に発現に影響を与えるcis elementが存在するかスクリーニングするため、in vitroのpGL4を用いたプロモーターアッセイを行なった。luciferase遺伝子5'直前に日本人NKX2.3遺伝子のプロモーター(500bp)を挿入したアッセイプラスミドを作成し、調べたい領域を1kb毎、PCRで増幅して、そのアッセイプラスミドのさらに5'上流に挿入して、リスクハプロタイプ、非リスクハプロタイプとの転写活性を比較した。その結果、NKX2.3遺伝子のプロモーター上流10kbの範囲には、有意に転写活性にリスクハプロタイプと非リスクハプロタイプで差ができるような領域を確認することができなかった。今後は遺伝子イントロン内にあるcis elementを対象に検討しなければならない。
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Research Products
(3 results)