2010 Fiscal Year Annual Research Report
クロモグラニンの構造変化における精神神経疾患との関連
Project/Area Number |
22890026
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
飯嶋 良味 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教 (70574648)
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Keywords | 統合失調症 / クロモグラニン / 関連解析 / SNP / KOマウス / 筋萎縮性側索硬化症 |
Research Abstract |
本研究は、機能性精神疾患に関与するクロモグラニンB(CHGB)の機能の解明を目的とする。(1)CHGB調節領域に位置する多型と統合失調症との関連解析:CHGBのプロモーター領域であり、転写因子SRYとYY1の結合モチーフ内に位置する、A-296C多型とA-261T多型について、統合失調症患者との関連解析を行った。その結果、両多型共に男性統合失調症患者特異的に有意な関連がみられ、さらに転写活性の高いハプロタイプが男性統合失調症患者において有意に関連した。このことから、A-261T多型によるSRYを介するCHGBの発現変化が、男性における統合失調症の発症に関与していることが考えられた。今後、統合失調症患者の死後脳や株化Bリンパ球を用いてCHGBの発現量と遺伝子型との関連を検討する。(2)Chgb欠損マウスの作製:EUCOMMよりchgb遺伝子改変ES胚の供与を受け、キメラマウスの作製を行った。次年度chgb-KO個体の作製を行い、次の実験を行う。(3)Chgb欠損マウスの精神神経行動学的解析:Chgb欠損マウスの行動解析を行い、同遺伝子の精神疾患に対する関与を評価する。行う解析は、運動協調性を見るRota-rod test、新規探索テスト、社会性行動テスト、自発的活動量の測定、プレパルスインヒビションテスト等である。これに統合失調症、気分障害の薬理学的モデルを加える。(4)異常タンパク病としての神経変性疾患におけるCHGBの役割の検討:ALSモデルマウスの一つであるG93A型変異SOD1トランスジェニックマウスにおいて、変異型SOD1がchgbと結合し、細胞外分泌を介した神経毒性により神経細胞死に至ることが報告されたが、このALSモデルマウスを導入し、Chgb欠損マウスと交配することにより、ALS症状が改善されるかを検討する。
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Research Products
(2 results)