2011 Fiscal Year Annual Research Report
クロモグラニンの構造変化における精神神経疾患との関連
Project/Area Number |
22890026
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
飯嶋 良味 筑波大学, 医学医療系, 助教 (70574648)
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Keywords | 統合失調症 / クロモグラニン / 関連解析 / SNP / KOマウス / 筋萎縮性側索硬化症 / SOD1 |
Research Abstract |
本研究は、機能性精神疾患に関与するクロモグラニンB(CHGB)の機能の解明を目的とする。 1)chgb KOマウスの精神神経行動学的解析:chgb KOマウスを作製するべく、昨年度遺伝子変異導入ES胚の譲渡を受け、本学にてキメラマウスの作製を行った。キメラマウスより、生殖細胞系列に変異を伝達された個体を得て、Creドライバーマウスとの交配後、全身chgb KO個体を得る予定であったが、キメラマウスより、生殖細胞系列に変異を伝達された個体を得ることができなかった。(キメラマウスに精巣奇形があったため)。そこで、chgb KOマウスを有する研究機関より、KOマウスの精子を輸入し、KO個体の発生を進めている。2)異常タンパク病としての神経変性疾患におけるCHGBの役割の検討:ALSモデルマウスとして確立されているヒト変異型SOD1 Tgマウスとchgb KOマウスとの交配実験を行い、SOD1 Tg×chgb KO遺伝子型個体について組織や行動の変化を解析し、ALS症状が改善されるかを検討する。本年度は、ALSモデルマウスとして、B6,Cg-Tg(SOD1*G93A)1Gur/Jの♂ヘミ個体を導入し繁殖を行っている。 本年度は、実験テーマ1)、2)とも実験動物の準備に大半を費やしたため、ヒト統合失調症患者サンプルを用いた大規模関連解析、疾患と血漿CHGB濃度との検討、および血漿CHGB濃度と精神症状スコアとの関連の検討を行った。統合失調症患者2413名と健常者2852名を対象に、CHGB遺伝子領域とその上流・下流それぞれ2kbについて、Haploviewプログラムを用い8つのTag-SNPを選出し、遺伝子型を決定した。rs236141において、男性統合失調症患者と男性健常者の間でP=0.001という有意差を得た。この遺伝子型と血漿CHGBの間には関連は認められなかったが、血漿CHGB濃度は統合失調症患者群において有意に高かった。また、HSCL(Hopkins Symptom Checklist)によるストレス反応評価において、心身症状・対人関係過敏症・抑うつ症状の重症度とCHGB濃度は有意に相関していた。 今後は、chgb KO個体が得られ次第、実験テーマ1)、2)に取り組んでいく予定である。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] A two-stage case-control association study between the tryptophan hydroxylase 2 (TPH2) gene and schizophrenia in a Japanese population2012
Author(s)
Watanabe Y, Egawa J, Iijima Y, Nunokawa A, Kaneko N, Shibuya M, Arinami T, Ujike H, Inada T, Iwata N, Tochigi M, Kunugi H, Itokawa M, Ozaki N, Hashimoto R, Someya T
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Journal Title
Schizophr Res
Volume: Feb17(Epub ahead of print)
Peer Reviewed
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[Journal Article] Association of SNPs linked to increased expression of SLC1A1 with schizophrenia2011
Author(s)
Horiuchi Y, Iida S, Koga M, Ishiguro H, Iijima Y, Inada T, Watanabe Y, Someya T, Ujike H, Iwata N, Ozaki N, Kunugi H, Tochigi M, Itokawa M, Arai M, Niizato K, Iritani S, Kakita A, Takahashi H, Nawa H, Arinami T
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Journal Title
Am J Med Genet B Neuropsychiatr Genet
Volume: 59B(1)
Pages: 30-37
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] SLC1A1遺伝子多型と統合失調症との関連解析2011
Author(s)
飯田周平, 堀内泰江, 飯嶋良味, 石黒浩毅, 稲田俊也, 渡部雄一郎, 染谷俊幸, 氏家寛, 岩田仲生, 尾崎紀夫, 功刀浩, 栃木衛, 糸川昌成, 新井誠, 新里和弘, 入谷修司, 柿田明美, 高崎均, 那波宏之, 有波忠雄
Organizer
第56回日本人類遺伝学会・第11回東アジア人類遺伝学会共同大会
Place of Presentation
幕張メッセ(千葉県)
Year and Date
20111109-20111112
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