2010 Fiscal Year Annual Research Report
慢性骨髄性白血病の急性転化および白血病幹細胞維持におけるメカニズムの解明
Project/Area Number |
22890043
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中原 史雄 東京大学, 医科学研究, 助教 (80581181)
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Keywords | 白血病 / 白血病幹細胞 / 慢性骨髄性白血病 / 急性転化 |
Research Abstract |
ヒト慢性骨髄性白血病急性転化(CML-BC)サンプルでは20症例中8症例という高い頻度でHes1の発現上昇を認め、これらHes1発現高値サンプルにおいてHes1関連遺伝子の変異を詳細に検索し、複数の遺伝子において変異を見つけた。現在、その遺伝子変異を用いたin vitro, in vivo実験を進めているところである。またヒトCML-BC細胞株でもHes1関連遺伝子の変異を見出し、同様にin vitro, in vivo実験を進めている、ところである。 Hes1とbcr-ablを組み合わせてのCML-BCマウスモデルでは、Imatinibの投与により病態が改善するのを確認した。さらに投与後の残存細胞の解析を進めており、白血病幹細胞の維持機構の解明を目指している。 JAK/STAT経路,Ras/Raf/MEK/ERK経路,PI3K/Akt経路など他のシグナル系とHes1の関連解析では、Hes1導入細胞株を用いた実験では、IL-3依存性の細胞株がサイトカイン非依存性になるにはJAK/STAT経路,Ras/Raf/MEK/ERK経路,PI3K/Akt経路の3経路全てが必須ではないことが判明し、追加の確認実験を進めている。 CML-BC以外の急性白血病でもHes1が他の活性化型変異と協同して白血病を発症させるかを検討しており、Hes1とFlt3-ITDを組み合わせたin vivo,in vitro実験を進めている。 以上のように、各種実験を行い結果が得られつつある状況である。
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