2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22890049
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
鵜沼 香奈 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (30586425)
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Keywords | ストレス / アドレナリン受容体 / miRNA |
Research Abstract |
申請者は、身体的・心理的ストレスが心臓性突然死の誘因になっているという疫学データの分子学的機序の解明を目的に、当初、情動ストレス負荷ラットの心筋介在板における一過性のconnexin43(Cx43)発現上昇のメカニズムをin vitroの系で解明する予定であった。 しかし、さらにin vivoの系で実験を重ね、私は情動ストレス下におけるCx43がup-regulateはα-アドレナリン受容体を介することを見出した。さらに、情動ストレス負荷ラットでは心室性期外収縮の頻度が上昇するが(Circ J.74(6).1087-95.2010)、α-アドレナリン受容体遮断薬を前投与してもその頻度を減らすことは出来なかったが、β-プロッカーを前投与されたラットでは、情動ストレスによって生じる心室性期外収縮を優位に抑えることを明らかにし、今年度英文雑誌に投稿した(circ J.74(12).2693-701.2010)。 来年度以降は、"急性冠症候群モデル(早期)"でも同様に、心筋介在板でのCx43がup-regulateされることが報告されたことから、"急性ストレス障害による突然死"の鑑別が出来ないかという点を検討したい。予備実験では、β-MHC発現が拘束24時間で上昇する事がわかったので、今後はmiRNA(mi R208)を用いて冠状動脈結紮(虚血)と身体拘束ラット(ストレス)で、1時間を中心にmiRNA発現パターンの差を見ることでこれらの差異について検討したい。
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