2010 Fiscal Year Annual Research Report
NASHにおけるマクロファージの病態生理的意義に関する検討-新規モデルを用いて
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22890052
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
伊藤 美智子 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 特任助教 (00581860)
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Keywords | 肥満 / インスリン抵抗性 / 肝細胞癌 |
Research Abstract |
MC4R-KOマウスにおいてNASHを発症する過程を検討するため、負荷1,4,8,16,20週と経時的に解析を行った。野生型マウスでは負荷16週から肝脂質蓄積、炎症・線維化マーカーが軽度増加するものの、負荷20週でも単純性脂肪肝の所見のみであった。一方、旨MC4R-KOマウスでは負荷4週から肝臓への著しい脂質蓄積が認められ、負荷8週において炎症性・線維化マーカーの著しい発現増加が認められた。組織学的には負荷8週で肝細胞風船様変性・炎症細胞浸潤、負荷16週で線維化形成が明らかとなり、負荷20週ではより線維化面積が増加した。 NASHはときに肝硬変・肝癌に進展する病態であるが、これまでに肥満・インスリン抵抗性を伴い、脂肪肝からNASH、肝癌を発症する動物モデルは存在しない。そこで、本モデルにおいてNASH様病変からの進展を検討した。負荷を1年間継続したところ、負荷20週よりもさらに線維化が進行し、架橋形成に類似した所見が認められた。さらに、観察した個体すべてにおいて多発性の腫瘤形成が認められ、組織学的にα-fetoprotein陽性の高分化型肝細胞癌と考えられた。野生型マウスにおいてはこれらの所見は認められなかった。 これまで肝細胞癌を発症する遺伝子改変マウスの報告があるが、肥満・インスリン抵抗性を伴うものはなく、MC4R-KOマウスは脂肪肝から肝線維化、肝細胞癌への進展を経時的に評価できる全く新しいマウスモデルであると考えられる。
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Research Products
(4 results)