2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22890059
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岡本 有子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 助教 (60363785)
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Keywords | 高齢者施設 / 身体拘束 / 向精神薬 |
Research Abstract |
本年度では、療養病床における向精神薬の使用の実態とその関連要因の分析を実施した。 研究方法は無記名自記式質問紙による郵送調査とした。調査対象は全国の保健福祉医療情報を公開しているウェブサイト(WAM-NET)から療養病床のある病院を無作為に抽出した病院1435件で、回答は1病棟の看護管理者に依頼した。調査票の質問内容は、基本属性、病棟体制、入院患者の状況、身体拘束者数、向精神薬服用者数、身体拘束への取り組み、身体拘束に対する認識、病棟体制の8領域とした。1病棟における向精神薬の服用者率は、調査日当日及び1か月以上継続している服用者数を調査日当日の入院患者数で除して算出し、その関連要因を検討した。調査は返送をもって研究協力への同意とした。 結果は以下の通りである。回収率は426件(29.7%)であり、そのうち、医療療養病棟281件と介護療養病棟43件を分析対象とした。向精神薬服用者率の平均は、定型抗精神病薬4.5%、非定型抗精神病薬3.8%、睡眠薬13.0%、抗不安薬6.7%、抗うつ薬2.1%、漢方薬1.3%であった。医療療養病棟と介護療養病棟では各種の向精神薬の服用者率に有意な差は認められなかった。重回帰分析の結果、総病床数が少なく、老年科または精神科を専門とする医師がおり、徘徊する患者の割合が高いほど、定型抗精神病薬の服用者率が高かった。老年科または精神科を専門とする医師がおり、徘徊する患者の割合が高く、ケア提供者が患者の身体を抑制する物を使用したくないという考えがあると、非定型抗精神病薬の服用者率が高かった。 本研究で明らかにされた療養病床における向精神薬の服用者率は、欧米の先行研究に比べて低めであった。向精神薬の服用には、患者やケア提供者の特性のみならずケア提供者の身体抑制に関する考えにも影響している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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