2010 Fiscal Year Annual Research Report
Sclerodermatous GVHDマウスにおける制御性B細胞の役割
Project/Area Number |
22890073
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松下 貴史 金沢大学, 医学系, 助教 (60432126)
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Keywords | 強皮症 / 制御性B細胞 / IL-10 / GVHD |
Research Abstract |
本研究では、Sclerodermatous GVHDマウス(全身性強皮症のモデルマウスでもある)における制御性B細胞の役割を解析した。近年、B細胞は"悪玉"B細胞(effector B細胞)と"善玉"B細胞(制御性B細胞)に大別されて考えられるようになってきた。さらに、IL-10産生制御性B細胞はCDld^<high>CD5^+の表現型を有しており、CD19欠損マウスでは、このサブセットが完全に欠損しておいることより、制御性B細胞欠損マウスである。Sclerodermatous GVHDマウスは、マイナー組織適合抗原が不一致であるB10.D2(H-2^d)マウスの骨髄と脾臓細胞を、放射線照射されたBALB/C(H-2^d)マウスに移植することによって誘導した。まず、CD19欠損B10.D2マウスおよびCD19欠損BALB/Cマウスを作成し、Sclerodermatous GVHDマウスにおけるドナーおよびレシピエントの制御性B細胞の役割を解析した。 その結果、CD19欠損B10.D2マウスの骨髄および脾臓を放射線照射されたBALB/Cマウスに移入(ドナーが制御性B細胞を欠損)した結果は、コントロール群に較べより軽症のSclerodermatous GVHDを発症した。一方、B10.D2マウスの骨髄および脾臓を放射線照射されたCD19欠損BALB/Cマウスに移入(レシピエントが制御性B細胞を欠損)した結果は、コントロール群に較べより重症のSclerodermatous GVHDを発症した。 これは、Sclerodermatous GVHDの過程において制御性B細胞が重要な役割を有し、ドノーとレシピエントで働きが違うことが示唆される。特に、制御性B細胞はホストの抑制作用において重要な役割を有していることが示唆された。
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