2011 Fiscal Year Annual Research Report
カテキン類による増殖因子受容体分解と腫瘍増殖抑制の分子機構の解明
Project/Area Number |
22890074
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
吉村 仁志 福井大学, 医学部, 助教 (40362917)
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Keywords | 癌 / シグナル伝達 / 蛋白質 |
Research Abstract |
【目的】血小板由来増殖因子受容体(PDGF)は頭頸部癌などの腫瘍にて発現や活性の変化が報告されており,癌治療における分子標的として位置づけられ,現在治療薬の開発と臨床応用が行われている.緑茶成分に含まれるカテキンには抗腫瘍効果を含めた様々な生理学的有用性が報告されており,中でもエピガロカテキン-3-ガレート(EGCG)は,in vitroにおいて腫瘍細胞の増殖抑制やPDGFRのキナーゼ阻害作用が報告されている.今回我々はEGCGのPDGFR蛋白質への影響を検討した.【材料及び方法】PDGFRを高度に発現している血管平滑筋細胞を用い,EGCGの添加によるPDGFRへの影響をウエスタンブロットにて評価した.また蛋白質合成阻害剤,プロテアソーム阻害剤,ライソソーム阻害剤を用いて蛋白質分解におけるEGCGの作用をウエスタンブロットにて評価した.またPDGFRのユビキチン化についてウエスタンブロットにて評価した.【結果】EGCG処理によるPDGFRの細胞膜から細胞質への移行と処理2時間後でのPDGFR蛋白質の減少を認めた.蛋白質合成阻害剤によりその減少は促進され,プロテアソームやライソソーム組害剤によりその減少は抑制された.EGCGとまたプロテアソーム阻害剤添加後のPDGFRの免疫沈降にてPDGFRのポリユビキチン化が認められた.【結論】EGCGはPDGFRを蛋白質レベルにて減少させこれは生理的蛋白質分解機構であるユビキチンープロテアソーム分解経路の活性化によることが示唆された.以上について第55回日本口腔外科学会総会・学術大会にて発表し,現在論文作成中である.
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