2010 Fiscal Year Annual Research Report
NOGマウスを用いたがん特異的ヒトT細胞の機能解析:CD8、CD4細胞相互作用
Project/Area Number |
22890084
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
王 立楠 三重大学, 大学院・医学系研究科, 特任助教 (00589484)
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Keywords | TCR / T-body / CEA / MAGE-A4 |
Research Abstract |
近年ヒト細胞医薬品への期待が大きいが、がんに対するがん特異的T細胞レセプター(TCR)遺伝子導入リンパ球輸注療法が有効な新規治療法として期待されている。我々は重度免疫不全マウスであるNOD/SCID/γc^<-/->(NOG)マウスを用いて、がん抗原特異的T細胞レセプター遺伝子を導入した遺伝子改変ヒトT細胞の輸注療法により、ヒトがん細胞株の治療効果が評価可能となる、ヒトT細胞療法の薬理・薬効評価系を確立した。本申請研究ではこのNOGマウスの系を用いてがん特異的ヒトT細胞の機能解析を、特にがん特異的CD8^+T細胞とCD4^+T細胞の相互作用に注目して行い、有効で安全な遺伝子改変T細胞輸注療法の開発に貢献することを目指す。 本研究計画は以下の2コンポーネントよりなる。 1)我々の樹立したMAGE-A4特異的TCR遺伝子導入CD8^+細胞を用いたNOGマウスにおけるMAGE-A4陽性腫瘍細胞治療の系を発展させ、腫瘍特異的CD8^+細胞と共に同一ドナー由来のヘルパーCD4^+T細胞(Th1細胞、Th2細胞)、Th17CD4^+T細胞、あるいは抑制性機能を持つCD4^+制御性T細胞を移入する。抗腫瘍効果、細胞の局在と増殖、フェノタイプの変化、インビボ生存性につき検討する。また、その際のCD8-CD4相互作用におけるサイトカイン、細胞表面分子、及び細胞内シグナル伝達物質の役割を解析する。 2)CEA特異的抗体と細胞内シグナル伝達分子とのキメラ分子の遺伝子導入細胞(T-body)を用いて腫瘍特異的CD^8+T細胞と腫瘍特異的CD4+T細胞とのインビボにおける相互作用を解析する(T-body技術はCD8^+,CD4^+両細胞に抗原特異的反応性を付与可能である)。
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