2011 Fiscal Year Annual Research Report
NOGマウスを用いたがん特異的ヒトT細胞の機能解析:CD8、CD4細胞相互作用
Project/Area Number |
22890084
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
王 立楠 三重大学, 大学院・医学系研究科, 特任助教 (00589484)
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Keywords | MAGE-A4 / NOG mouse / TCR / CEA / scFv / T-body |
Research Abstract |
平成22年度にこれらの基礎検討を進め、導入効率を高め安定したT-body作製系を確立する。平成23年度にはこれらのT-bodyをNOGマウスに輸注し、抗原特異的CD8^+T細胞と抗原特異的CD4^+T細胞とのインビボにおける相互作用を解析する。 平成23年度に申請者らはがんを特異的に認識するレセプターとして、がん抗原特異的TCRに加え、がん抗原特異的抗体と細胞内シグナル伝達分子とのキメラ分子による人為的レセプターの基礎検討を行ってきた。これらのキメラ分子を発現するリンパ球はT-bodyと呼ばれ、抗体はMHC拘束性にかかわらずに標的を認識することからT-bodyはそれがCD8^+T細胞、CD4^+T細胞であることに関わらずに抗原を強い親和性で認識することが可能である。 応募者らはCEA特異的T-bodyのレトロウイルスベクターコンストラクトを作製した。このレトロウイルスベクターを用いて、健常人の末梢血単核球(PBMC)へ遺伝子導入を行った。CD4^+T細胞とCD8^+T細胞の両細胞において、標識遺伝子の発現を認めた。これらの遺伝子導入リンパ球はCEA陽性ヒト胃癌細胞株を特異的に認識し、サイトカイン(IFNγ)を産生した。 平成23年度に申請者らは抗原ペプチドMAGE-A4143-151を認識するHLA-A2402拘束性CTLクローン由来TCR遺伝子導入ヒト末梢血CD8+T細胞のin vivo機能評価を行った。免疫不全(NOG)マウスにヒト食道癌細胞株を移植し、HLA-A24拘束性MAGE-A4特異的TCR遺伝子導入ヒトT細胞の移入による腫瘍縮小効果を検討した結果、抗原特異的な腫瘍他退縮を認めた。本研究により、ヒトT細胞のin vivo機能評価システムが確立できた。
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