2010 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌の早期診断マーカーの探索と分子標的治療への可能性の検討
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22890085
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
高野 淳 滋賀医科大学, 医学部, 特任助教 (50582607)
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Keywords | 癌 / トランスレーショナルリサーチ |
Research Abstract |
本研究の目的は、肺がんの新規腫瘍マーカーの探索と新規治療標的分子の開発を行い、早期診断、予後診断、薬剤感受性診断を含めた血清マーカー・組織診断予後マーカーや新規治療薬として臨床応用することである。 平成22年度も、これまで行ってきた手法と同様に約120症例の肺癌cDNA microarray解析結果から膜・分泌タンパクをコードする候補遺伝子を抽出し、RT-PCR、Western blotなどで肺癌と正常肺での発現を確認し、腫瘍マーカー候補の絞り込みを行った。 これまで我々は多数の候補タンパクについて報告してきているが、新たに有望な候補タンパクとしてLASEP3(Lung cancer serum protein 3)を同定した。市販抗体を用いてELISAシステムを構築し、肺癌、健常者血清を用いて検討したところ、高感度な肺がんマーカーであることがわかった。更に、既存の腫瘍マーカーであるCEA、CYFRA21-1、proGRPと組み合わせることで肺がん患者の80%を検出することができた。また、作製した約400症例の非小細胞肺がんのTissue Microarrayを用いて、抗体染色を行ったところ、LASEP3発現陽性症例は、陰性症例と比べて、有意に予後不良であり、術後肺癌の予後マーカーとして有効であると考えられた。また、siRNAでLASEP3の発現を抑制したところ、がん細胞の増殖が抑制され、肺がんの増殖に関与するタンパクであることがわかった。他方、Microarrayの結果から、乳がん、大腸がんでもLASEP3の発現が高いことがわかっていたため、乳がん、大腸がん患者血清中のLASEP3を測定したところ、健常者と比べて、有意に高濃度であることがわかり、肺がん以外の臓器のがんでも有用な血清マーカーであることが明らかになった。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Wnt inhibitor Dickkopf-1 as a target for passive cancer immunotherapy.2010
Author(s)
Sato N, Yamabuki T, Takano A, Koinuma J, Aragaki M, Masuda K, Ishikawa N, Kohno N, Ito H, Miyamoto M, Nakayama H, Miyagi Y, Tsuchiya E, Kondo S, Nakamura Y, Daigo Y.
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Journal Title
Cancer Research
Volume: 70
Pages: 5326-5336
Peer Reviewed
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[Journal Article] Krebs von den Lungen-6 (KL-6) is a prognostic biomarker in patients with surgically resected non-small cell lung cancer.2010
Author(s)
Tanaka S, Hattori N, Ishikawa N, Shoda H, Takano A, Nshino R, Okada M, Arihiro K, Inai K, Hamada H, Yokoyama A, Kohno N.
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Journal Title
International journal of cancer
Volume: 129
Peer Reviewed
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