2011 Fiscal Year Annual Research Report
iPS細胞の遺伝子治療戦略を可能とする非ウイルス型ベクターの開発
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22890088
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堀田 秋津 京都大学, iPS細胞研究所, 特定拠点助教 (50578002)
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Keywords | iPS細胞 / 遺伝子導入 / 血友病A / サイレンシング / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
本研究では、先天性血液凝固異常症である血友病Aに対して、ヒトiPS細胞を利用した遺伝子治療法を開発する事を将来目標とし、長期間安定に高いレベルで発現を維持する非ウイルス型遺伝子導入ベクターの構築を進めている。昨年度までに作成したEGFPレポーター発現トランスポゾンベクターを骨格とし、本年度においては、血友病Aの原因遺伝子である血液凝固第VIII因子のBドメイン欠損型(4.3kb)および全長(7.0kb)のcDNAをEF1aプロモーターの下流にクローニングしたベクターを構築した。第八因子のBドメインは血液凝固活性には直接必要ないが、効率的なタンパク質の分泌に重要であることが示唆されている。それぞれのベクターにおいて、HEK293T細胞およびヒトiPS細胞へ導入し、第VIII因子の発現をmRNAの定量および免疫染色にて確認。また、細胞外に分泌された第VIII因子に関しては、凝固活性をaPTT法にて測定した。その結果、トランスポゾンベクターを用いることにより、短縮型のBドメイン欠損第VIII因子と同等以上の活性型全長第VIII因子の生産に成功した。また、Hydrodynamic injection法により血友病Aモデルマウスにトランスポゾンベクターを投与した所、Bドメイン欠損型第八因子および全長型第八因子の両方について、数ヶ月以上に渡って安定に血中へ分泌可能であることが確認できた。以上の事より、新規トランスポゾンベクターはex vivo遺伝子治療およびin vivo遺伝子治療の両面において有用なベクターとなることが示唆された。
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