2011 Fiscal Year Annual Research Report
ファンコニ貧血修復経路を分子標的とした脳腫瘍アルキル化剤の増感効果の検討
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22890095
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
近藤 夏子 京都大学, 原子炉実験所, 助教 (00582131)
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Keywords | FANCD1 / テモゾロミド(TMZ) / 塩酸ニムスチン(ACNU) / Homologous Recombination修復経路 / グリオブラストーマ |
Research Abstract |
TMZおよびACMIの感受性にかかわるFA修復経路の中で、FANCD1はグリオブラストーマをTMZおよびACNUで治療する際の増感の標的候補となることが示唆された。このことから、薬剤の増感の標的となるFANCD1のsiRNAを、ヒトグリオブラストーマA172細胞に導入し、TMZおよびACNUによる殺細胞効果が増感するのかを検討してみた。その結果、FANCD1のノックダウンによって、TMZおよびACNUの殺細胞効果は著しく増感されることが確認できた。FA修復経路を介して、Homologous Recombination (HR)修復が進むことが知られているので、TMZおよびACNU処理後に生じたDNA損傷がHR修復経路によって修復されるかどうかをRecombination Assay (Hellday T, et al, Carcinogenesis 19 : 973-978, 1998.)によって調べた。その結果TMZおよびACNU処理後、Homologous Recombination (HR)修復が誘導されることが確認できた。さらに薬剤の増感の標的となるFANCD1のsiRNAを、A172細胞に導入した場合TMZおよびACNU処理後、HR修復経路にどのように影響するかを免疫細胞染色法によってHRの因子であるRad51のfociを定量的に数えて検討した。A172細胞にFANCD1 siRNAを導入し、TMZおよびACNUの処理をするとNegativecontrolsiRNAを導入した細胞に比べて著しくRad51のfoci形成が抑制された。 結論として、FANCD1をノックダウンすると、HR修復が抑制されることによりTMZおよびACNUの殺細胞効果の増感が得られることが明らかになった。
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