2010 Fiscal Year Annual Research Report
波長走査型光干渉断層計を用いた緑内障視神経乳頭深部構造変化による病態解析
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22890097
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
赤木 忠道 京都大学, 医学研究科, 助教 (30580112)
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Keywords | 緑内障 / 視神経乳頭深部構造 / 波長走査型光干渉断層計 |
Research Abstract |
今年度トプコン社製の長波長プローブ搭載型波長走査型光干渉断層計(swept source optical coherence tomography)プロトタイプを京都大学眼科にて使用できるようセットアップした。それを用いて視神経乳頭深部構造解析を進行中であり、現在までに検査の同意を得られた症例において健常眼、緑内障の進行程度の異なる症例(軽度、中等度、重度)の症例別にそれぞれ20眼程度のデータ収集を完了した。更に視野障害のない高度近視眼20眼のデータ収集も完了した。今までは解析困難であった生体における篩状板とそれとつながる強膜、乳頭周囲の脈絡膜の構造描出能の飛躍的な向上を確認しており、得られたデータを元に京都OCTリーディングセンターにて3次元解析ソフトウェアを開発し、さらにトプコン社と共同で深部構造のパラメータ解析ソフトを開発中である。それらを用いて、緑内障性視神経症の発症に関連する構造パラメーターについて現在検討中である。現在までに健常眼と高度近視眼において視神経乳頭深部構浩に大きな違いが生じていることが判明しつつあり、緑内障性視神経障害のリスクファクターである高度近視眼における視神経脆弱性の一因を今後検出できる可能性がある。 それに平行して、補償光学走査型レーザー検眼鏡を用いた緑内障眼の篩状板孔形状解析により、健常眼と緑内障眼において篩状板孔の大きさ及び形状に相違があることが明らかとなり、特に緑内障眼において上下での形状及び大きさの相違が健常眼に比較して大きいことを発見した。このことから緑内障眼での篩状板における上下非対称性の負荷が寄与している可能性が示唆される。
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Research Products
(9 results)