2010 Fiscal Year Annual Research Report
MRIを用いた顎関節疾患の要因分析と顎運動シミュレーションソフトウェアの開発
Project/Area Number |
22890098
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中井 隆介 京都大学, 再生医科学研究所, 研究員 (10576234)
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Keywords | MRI / 画像処理 / シミュレーション / 顎関節 / 顎運動 |
Research Abstract |
本年度は、MRIを用いて顎関節・顎運動を捉えるDynamic撮像手法とその解析手法の確立および咀嚼に関連する筋肉の撮像手法と解析手法の確立を行い、これらの手法を用いて実際に被験者を撮像し、画像の解析、計測を行った。 MRI装置は、京都大学再生医科学研究所にあるSiemens社製MAGNETOM Sonata 1.5T(maximum amplitude : 40mT/m, slew rate : 200T/m/second)を用いた。使用したMRI受信用コイルはヘッドコイルおよびダブルループコイルである。まず始めに、MRIを用いた定量評価を行うために、定量化用ファントムを作成した。この定量化用ファントムおよび運動模擬ファントムを使用して、Dynamic撮像手法と咀嚼に関連する筋肉の撮像手法の確立を行った。 被験者実験に具体的に使用した撮像・解析手法は、顎運動に関しては、完全なSSFPを作り出すTrue FISPシーケンスの応用による多断面同時撮像と軌跡の解析を用いた。また、咀嚼に関連する筋肉に関しては、turbo spin echoシーケンスを用いた筋肉領域内の脂肪解析および高解像度撮像シーケンスを用いた筋肉の形状・体積の解析、T1値・T2値計測からの筋肉部組織の特性解析、twice refocused spin echo EPI diffusionシーケンスを用いた筋肉内部構造解析を使用した。しかし、実験の結果、筋肉領域内脂肪に関しては咀嚼筋では脂肪量が微少であり、解析には不適合ということが判明した。被験者を用いて、これらの解析を行った結果、顎運動・顎関節の状態と咀嚼筋の状態には関連があることが判明した。本成果を元に、次年度は被験者数を増やし、顎関節・顎運動と咀嚼筋の関連性について、より詳細な分析を行う予定である。
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