2010 Fiscal Year Annual Research Report
T細胞の正負の選択に関わるカルシウムチャネルの同定
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22890100
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川崎 拓実 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任研究員 (60584414)
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Keywords | イオンチャネル / カルシウム / T細胞 |
Research Abstract |
当研究では、T細胞の正負選択に関わるカルシウムチャネルの同定を行っている。目的のチャネルはチロシンリン酸化により活性化制御が行われているという仮説に基づき、刺激依存的にチロシンリン酸化される膜たんぱく質を精製し、同定を試みた。初めは、細胞を刺激後、超遠心により膜分画を回収し、抗チロシンリン酸化抗体で精製し、MSで精製されたたんぱく質を調べたが、膜貫通たんぱく質がほとんど同定できなかった。膜分画への細胞質たんぱく質が多く混入すること及び、抗体に対する非特異的な結合がその原因と考えられた。そこで、精製ステップを変更することで問題を解決することを試みた。チロシンリン酸化たんぱく質精製度を向上するために、セリン、スレオニン残基を含むブロードなリン酸基を吸着するビーズを用いて精製後、さらにチロシン抗体で精製することとした。また、膜貫通たんぱく質を特異的に精製するために、精製開始まえに細胞をビオチン化することで、膜貫通たんぱく質をビオチンでラベルし、膜分画回収後に、さらにアビジンビーズでビオチン化たんぱく質を精製した。これらの変更により、膜たんぱく質を特異的に同定できる条件を整えることに成功した。本年度ではこのスクリーニングにより、これまで報告されていない膜貫通たんぱく質が候補分子として複数同定できたので、今後それら分子が実際にチャネルたんぱく質として機能しうるか、過剰発現やノックダウン下でカルシウム指示薬などをもちいてその機能を調べる予定である。
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