2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22890109
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
原田 丈司 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (00403030)
|
Keywords | 低酸素センサー / 呼吸活動 / 縫線核 / セロトナージックニューロン / パッチクランプ |
Research Abstract |
本研究の目的は、「延髄正中縫線核外側亜核のセロトナージックニューロンが、中枢神経内での低酸素センサーの役割を果たし、低酸素応答として呼吸運動を賦活化する」との仮説を検証することである。初年度である本年は、これまで使用していた実験機器を変更し、安定して記録が行えるように調節することに加えて、低酸素刺激に反応してベースライン活性が上昇する縫線核ニューロンをラベリングし、細胞体の位置およびそれらの軸索投射のマッピングを行うことを目的とした。 実験には新生仔ラットから抽出し、呼吸中枢、舌下神経および縫線核セロトナージック細胞が機能的に温存されている延髄スライス標本を用い、縫線核ニューロンからパッチクランプ記録を行った。ニューロンのラベリングには0.8%バイオサイチンを用いた。結果、延髄正中縫線核の主に外側領域に低酸素刺激に反応する縫線核ニューロンが集中して存在することが確認できた。これらの細胞の低酸素への応答が二次的な反応ではないことを確認するために、パッチクランプ電圧固定記録にて低酸素刺激中に外部からの入力が無いことも多数のニューロンで確認することができた。 外側領域の縫線核ニューロンが低酸素刺激に対して脱分極し活性を上昇したのにたいして、内側領域のニューロンには低酸素に無反応な細胞あるいは過分極し活性を低下させた細胞が存在することが明らかとなった。縫線核内の亜領域によって異なる生理学的機能を有することが示唆された。 現在、軸索の先端部までバイオサイチンラベリングが安定かつ明瞭に行えるように、ラベリング条件および染色法を調節している。
|
Research Products
(1 results)