2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22890110
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
道上 郁美 大阪大学, 大学院・歯学研究科, リサーチ・アシスタント (80589771)
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Keywords | KLF / Runx2 / オステオカルシン / 骨形成 / 骨芽細胞 / 石灰化 / Wnt |
Research Abstract |
KLF4はKruppelファミリーに属し、C末端近傍に3つのZinc fingerモチーフをもつ転写因子である。申請者はこれまでにvitroにおいてKlf4がRunx2の転写制御因子として骨芽細胞分化に重要な作用もつことを明らかにしている。本申請では、KLF4による骨芽細胞に発現誘導される因子に対する調節機構の分子メカニズムを詳細に検討したほか、vivoでのKLF4の骨芽細胞分化に対する作用解析ため、トランスジェニックマウスの作製をおこなった。マウスオステオカルシン遺伝子(Ocn)の転写開始部位上流1.3kbの配列を用いたプロモーターアッセイにより、Klf4がOcnの転写を活性化すること、また、種々のプロモーター欠失、変異コンストラクトを用いた解析より、Klf4の作用部位が転写開始部位の上流約0.5kbに存在することを明らかにし、Klf4によるOcn転写制御はvivoにおいても行われている事を確認した。また、Klf4を過剰発現させた初代骨芽細胞において、Klf4が古典的Wntシグナルを活性化することを確認した。1)Klf4の発現は出生前後の限られた時期に認められること、2)Klf4が未分化間葉系細胞から骨芽細胞への運命決定に重要な役割を持つ古典的Wnt経路を活性化したことから、Klf4が前骨芽細胞を増加させる役割を担う可能性が示唆された。しかしその一方で、胎生後期に遺伝子発現が急激に上昇するOcnの転写を強く活性化した。これらの結果から、Klf4は骨芽細胞分化のステージに応じて、様々な役割を持つことが考えられた。
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Research Products
(5 results)