2011 Fiscal Year Annual Research Report
インクレチンとインスリンシグナルペプチドを用いた1型糖尿病の免疫寛容の誘導
Project/Area Number |
22890112
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
荒井 隆志 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (10582009)
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Keywords | 1型糖尿病 / インクレチン / インスリンシグナルペプチド / CFA / NY8.3NODマウス / 免疫寛容 |
Research Abstract |
プレプロインスリンのシグナルペプチドがNODマウスの糖尿病発症抑制と発症後の治療に有効で、機序として制御性T細胞の誘導と膵島の再生の可能性があることを報告した。 今回の研究は、インスリンのシグナルペプチドによる成果と現在までの制御性DCの研究成果に加え、制御性丁細胞(Treg)誘導や膵β細胞の再生、保護も期待できるインクレチンを用いることで、制御性DCの特徴を最大限に活用するとともに、T1Dにおける再生医療への応用を目指したものである。本研究は慢性難治性疾患である自己免疫疾患としてのT1Dに対して、制御性DCを介したTreg誘導とインクレチンを用いた膵島の再生、および両方の可能性を秘めたインスリンのシグナルペプチドによる成果の併用を試み、自己免疫反応を抑制する制御性T細胞の誘導とさらなる膵島の再生を図る目的で行なったものである。 1)新規糖尿病発症NODマウスに対して、骨髄由来制御性DC投与では糖尿病状態からの改善は困難であることが示唆された。しかしながら、リラグリチド単独投与、インスリンシグナルペプチドL7-24の単独投与及びその併用投与、あるいはCFAの単独及びその併用投与では、糖尿病状態からの改善が可能で免疫寛容を誘導する可能性が見出された。特に併用投与では、自己免疫反応を抑制する制御性T細胞の誘導とさらなる膵島の再生の確認が必要と考えている。 2)糖尿病発症が促進されるNY8.3NODマウスにて、骨髄由来制御性DC投与では糖尿病発症抑制が困難であることが示唆された。また、インスリンシグナルペプチドL7-24の単独投与にても、糖尿病発症抑制が困難である可能性が示唆された。一方、CFA単独投与では、NY8.3NODマウスでの糖尿病発症を抑制する可能性が示唆され、自己反応性CD8陽性T細胞の自己膵β細胞傷害を抑制する可能性が示唆される結果を得ている。今後更なる検討を行なう予定である。
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[Presentation] 1型糖尿病発症におけるMSR-Aの役割の検討2011
Author(s)
清水まみ, 安田尚史, 森山啓明, 中村晃, 勝田敦美, 花野智苗, 佐々木弘智, 荒井隆志, 永田正男, 原賢太, 横野浩一
Organizer
第9回1型糖尿病研究会
Place of Presentation
大磯
Year and Date
2011-10-30
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