2011 Fiscal Year Annual Research Report
歯胚発生におけるHox遺伝子の発現パターンと機能解析
Project/Area Number |
22890117
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
内部 健太 岡山大学, 大学病院, 医員 (20584618)
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Keywords | 歯胚 / 発生 / Hox |
Research Abstract |
平成23年度は,昨年度準備した歯胚組織切片と,各Hox遺伝子に特異的なRNAプローブを用いて,歯胚に発現するHox遺伝子のスクリーニングを行った.スクリーニングはin situ hybridization法を用いて行い,歯胚組織切片には胎生13.5(蕾状期),14.5(帽状期),18.5日(鐘状期)のマウス胎仔を使用した.今回準備できたRNAプローブは,全39種のHox遺伝子のうちHoxa3,Hoxb2/3/9,Hoxc11,Hoxd8/11以外の32因子で,これら全てにつき上記3ステージでin situ hybridization法を行った.この手法をスクリーニングに用いる事の効果として,単に発現の有無だけにとどまらず,時空間的発現部位を同時に検出することができることが挙げられた.スクリーニングの結果,9因子について歯胚での発現を検出することができた.具体的には,Hoxa7/9/11,Hoxb6/7,Hoxc4/12,Hoxd9/12について,いずれかの発生ステージで歯胚に発現している事が確認できた.これらは,いずれもこれまでに歯胚での発現が報告されておらず,歯の発生機序に関与する可能性のある新たな因子を発見することができた. 今回発現が確認できた9因子の全てが歯胚上皮で発現していたが,Hoxb6/7,Hoxc4/12などは歯胚間葉でも発現を認めた.また,Hoxa11のように,E18.5になるとこれまで検出されていたシグナルが検出されなくなるものもあった.また,残りの23因子は,今回の実験でその発現を歯胚で検出することはできなかった.
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