2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22890127
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
中野 覚 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (60311825)
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Keywords | MRA / 血管造影 / 生理食塩水 |
Research Abstract |
1.抗凝固剤の緩和時間に対する影響の検討 予備実験として抗凝固剤の緩和時間に対する影響を検討した。EDTA、ヘパリン、クエン酸ナトリウム、フッ化ナトリウムの水溶液をIR法とFE法で撮影し、濃度と緩和速度との関係を検討した。血液検査で通常に用いる濃度で緩和時間への影響がもっとも大きいのはフッ化ナトリウムで、もっとも小さいのがヘパリンであった。ヘパリンでは通常の使用量では緩和時間に対する影響はほとんど見られなかった。今後の実験にはヘパリンを使用することとした。 2.血液希釈による信号強度の変化の検討 血液を生理食塩水で希釈し血液の濃度が100%、75%、50%、25%、0%のものを作成しT1強調像、T2強調像、T2*強調像にて撮影した。T2*はTR750msでFAを10°、20°、30°、40°、50°、60°で撮影した。これらの中で希釈前後での血液のCNRを検討すると希釈率が高い場合はT2強調像がもっともCNRが高かったが、希釈率が低い場合はT2強調像のFA30°が最もCNRが高く、同じT2*強調像でもFAが30°より高くなっても、低くなってもCNRの低下が見られた。また、もっとも希釈率の低い75%血液の場合でもFA30°のT2*強調像では100%血液とのCNRが27.9であり、ノイズの30倍近い信号差が得られた。視覚的にも信号強度の違いは明らかであった。 3.流体ファントム作成の予備実験 次年度の流体ファントムでの実験に備え、血液と近似した緩和時間を持つ水溶液を作成した。水1l中にフェリデックス0.6mlを加えることによりT1値781ms、T2*値57msと緩和時間が静脈血に近似する水溶液を、フェリデックス0.3ml、マグネビスト0.24mlを加えることによりTl値786ms、T2*値102msと緩和時間が動脈血に近似する水溶液を作成することができた。
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