2011 Fiscal Year Annual Research Report
ベトナム中部都市のコミュニティー内におけるRSV性呼吸器感染症の伝搬経路の解明
Project/Area Number |
22890137
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
鈴木 基 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (60444874)
|
Keywords | 国際情報交換 / ベトナム |
Research Abstract |
Respiratory syncytial virus(RSV)は、小児のウイルス性重症呼吸器感染症の最大の原因であり、主に発展途上国において小児死亡の大きな原因となっている。これまでの報告からは、途上国の多く存在する熱帯地では、RSVの伝搬パターンが温帯域とは異なることが示唆される。しかし、熱帯地において、RSVがコミュニティー内でどのように伝搬するのか、何が重症化の因子になっているのかは、解明されていない。本研究は、小児呼吸器感染症サーベイランスが進行中のベトナム中南部ニャチャン市において、熱帯地における小児RSV感染症の伝搬パターンと、重症化因子の解明を目的として行った。 当該年度は、当研究室が2007年より実施している小児呼吸器感染症サーベイランスのデータ、および住民ベースの横断調査を行い、RSVを含む呼吸器ウイルス感染症が小児肺炎の入院、および重症化に及ぼすリスクの解明、およびRSVとそれ以外の呼吸器ウイルスの重複感染が重症化に及ぼす影響について解析を行った。その結果、1992例の急性呼吸器感感染症入院小児のうち、397例が下気道感染症であった。このうち60%から呼吸器ウイルスが同定され、24%がライノウイルス、20%がRSV、12%がインフルエンザウイルスであった。9.5%は呼吸器ウイルスの重複感染であった。RSVとヒトメタニューモウイルスは単独で呼吸器感染症の重症化に関係していた。さらに、RSVはライノウイルス、ヒトメタニューモウイルス、パラインフルエンザウイルス3型と合併感染すると、さらに重症化が増すことが判明した。 本研究の成果は、ヨーロッパ呼吸器学会雑誌(European Respiratory Journal)に掲載された。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|