2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリコバクターピロリ産生VacA毒素によるアポトーシス機序~ERストレスの関与~
Project/Area Number |
22890138
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
赤澤 祐子 長崎大学, 大学病院, 助教 (80582113)
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Keywords | VacA / ヘリコバクターピロリ / BH3オンリー蛋白 / アポトーシス / ER stress |
Research Abstract |
【背景】小胞体(ER) stressは様々な慢性炎症性疾患における細胞傷害に貢献しているが、Helicobacter pylori H.pylori)関連胃炎への関与は未だ検討されていない。また、旺pylori産生毒素VacAは、Baxによるミトコンドリア融解を介して胃上皮細胞をアポトーシスに導くが、そめ上流の機序におけるBH3 only蛋白の関与は知られていない。今回我々は、H.pylori陽性胃生検組織中のER stressマーカーおよびBH3蛋白が上昇しているか検討した。またVacAにて刺激した培養胃上皮細胞におけるERstressマーカーおよびBH3 only蛋白の変動について検討を行った。【対象・方法】H.pylori陽性・陰性者別に病変を認めない前庭部胃粘膜から生検し、RNAを抽出後解析した。また細胞培養にはAZ521細胞を用いVaCA120nM単独,またはH.pyloriのウレアーゼ活性により産生され、VacAの十分な細胞毒性発揮に必須である塩化アンモニウム5mMと同時に投与した。8時間刺激した後RNAを抽出、測定した。【成績】H.pylori陽性胃粘膜では、H.pylori陰性患者と比較して、ER stressマーカーである、GADD34,GRP-78の有意な上昇が見られた。同時にBH3-only蛋白であるBim, PUM AmRNAの上昇が見られた。培養胃上皮細胞AZ521においても、VacA単独投与にてER stressマーカーGADD34が上昇していた。同時にER stressによるアポトーシスにおいて重要な働きをもつCHOPのmRNAが有意に上昇した。CHOP発現をsiRNAにより抑制したところ、VacAによるAZ521細胞のアポトーシスは有意に抑制され、ER stressがVacAによる毒性に関与していることが判明した。【結論】H.pylori関連胃炎においてはER stressマーカーおよび、その下流に位置すると考えられるBH3-only proteinのmRNAが有意に上昇しており、特にVacAによる胃上皮細胞アポトーシスに寄与している可能性が高いことが示唆された。
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