2010 Fiscal Year Annual Research Report
周術期使用薬剤と心筋プレコンディショニングの相互作用に関する検討
Project/Area Number |
22890141
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松本 周平 長崎大学, 大学病院, 助教 (20580327)
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Keywords | 心臓 / 虚血再灘流 / リモートプレコンディショニング / プロポフォール / 活性酸素種 |
Research Abstract |
心筋虚血再灌流障害に対する虚血性および薬理学的刺激によるプレコンディショニング作用は動物実験において強力な心筋保護作用が示されているが、実際の臨床現場での応用時には他の投与薬剤の影響を受ける可能性がある。活性酸素種はプレコンディショニングにおける重要な細胞内メディエータとして知られているが、抗酸化作用を持つ麻酔薬等はその保護作用に影響を与える可能性がある。そこで今回我々は抗酸化作用をもつ薬剤として広く知られているプロポフォールが、下肢の一過性虚血によってもたらされるリモートプレコンディショニング作用に与える影響について検討した。 まず、雄性ウィスターラットを用いた心筋虚血再灌流モデル(左前下行枝の30分虚血および120分再灌流)を用いて、コントロール群(虚血再灌流のみ)に対するリモートプレコンディショニングの心筋保護効果について検討した。リモートプレコンディショニングはラットの両大腿動脈を皮膚切開の上露出させ、5分間の虚血+5分間の再灌流を5回繰り返して行ったところ、コントロール群と比較して有意な心筋梗塞面積の縮小効果が得られた。そこでリモートプレコンディショニング中に鎮静量のプロポフォールの持続投与、または抗酸化剤である2-mercaptopropionyl glycineの先行投与を行ったところリモートプレコンディショニングによる保護作用は消失した。今後はプロポフォールの対象群として吸入麻酔薬であるセボフルランがリモートプレコンディショニングに与える影響について検討し、データ整理の上学会発表ならびに論文作成を予定している。
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Research Products
(4 results)