2010 Fiscal Year Annual Research Report
ポルフィロモナスジンジバリスの新奇病原因子Tapが病態形成に及ぼす影響
Project/Area Number |
22890142
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
近藤 好夫 長崎大学, 病院, 医員 (30581954)
|
Keywords | 歯学 / 細菌 / 歯周病 / Porhyromonas gingivalis |
Research Abstract |
歯周病細菌であるP.gingivalisの病原因子は既に幾つかの有力なものがこれまでに報告されているが、まだ多くの病原因子が存在しうる。近年、私たちはこのTprAがTapA, TapB, TapCと協調して機能することを明らかにした。しかしTapA, TapB, TapCについてはこれまでに詳細な報告はない。特にTapAあるいはTapCは菌体表層に局在する蛋白であることから、直接的に病原性に関わる病原因子であると予想される。 本年度はTapAあるいはTapCの病原性への関与について調べることを目的に、これらの欠損株が上皮細胞への侵入性あるいは貪食細胞への貪食が変化しているかを検討することにした。それにあたり、蛍光タンパクを発現する菌株の作製を試みた。シャトルベクター上にプロモーター配列ならびに蛍光タンパク遺伝子を挿入し、それを本菌野生株へ形質転換を行った。これまでに本菌において蛍光タンパクが発現することをウェスタンブロットで確認することができた。また、蛍光顕微鏡を用いた観察においても本菌の蛍光が確認された。今後は、欠損株にも同様に形質転換を行い、蛍光を確認したのちに付着性、貪食について検討する。 またTapA, TapB, TapCの発現調節分子としてシグマ因子に着目し、この欠損株を作製した。この欠損株においてもTapA, TapB, TapCの発現が減少していることがリアルタイムPCRで確認することができた。今後は転写開始点の解析やゲルシフトアッセイなど行い更なる検討が必要だと考えている。またこのシグマ因子の機能調節を行うアンチシグマ因子もすでに候補分子が得られており、これについても欠損株を作製し解析を進めていく予定である。
|