2010 Fiscal Year Annual Research Report
放射線性萎縮唾液腺に移植された生体骨髄由来幹細胞はどう挙動するか?
Project/Area Number |
22890143
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
奥村 映仁 長崎大学, 大学病院, 医員 (50585396)
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Keywords | 唾液腺 / 骨髄由来幹細胞 / 細胞療法 |
Research Abstract |
本研究課題は、放射線性唾液腺萎縮に対して、骨髄由来細胞の唾液腺移植による機能回復の効果と、そのメカニズムを明らかにすることを目的とする。具体的には、まず成体マウスの骨髄から採取した細胞を、放射線性障害により萎縮したマウス顎下腺へ移植し、移植された細胞の腺組織における挙動や、機能回復の過程を詳細に調べる。それにより、骨髄由来細胞の唾液腺上皮細胞への可塑性を正確に把握する。次に、骨髄由来細胞に含まれる骨髄単核球細胞や間葉系幹細胞といった分画を抽出し、それぞれを移植することで各分画の持つ機能回復への影響を評価する。それにより、骨髄由来細胞移植による機能回復のメカニズムを明らかにするとともに、臨床応用を想定した有効な細胞分画の探索を行う。本研究の意義は、放射線性組織障害に対して、患者の自己骨髄細胞を用いて、培養操作を伴わない生体幹細胞による治療基盤を確立することにある。本年度は、まずC3Hマウスを使用して、頭頸部に放射線照射を行なうことで、唾液腺萎縮マウスモデルを作出した。次に、採取した骨髄由来細胞の静脈内投与、顎下腺直接投与、および併用投与などを行ない、移植条件の検討を行なっているところである。これにより、今後骨髄由来細胞の唾液腺上細胞への可塑性を詳細に把握することができると思われる。又、移植条件の最適化は、骨髄由来細胞に含まれる単核球や間葉系幹細胞の分画について、それぞれの分画の持つ機能回復への影響を解析する上で、重要である。
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