2010 Fiscal Year Annual Research Report
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22890156
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Research Institution | Mie Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
長谷川 智之 三重県立看護大学, 看護学部, 助教 (40588183)
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Keywords | 心肺蘇生法 / 胸骨圧迫 / 疲労 / 姿勢 / 看護学教育 |
Research Abstract |
本研究は、看護学教育における心肺蘇生の教育・実践の質の向上および心肺蘇生法のガイドライン改善を目指し、心肺蘇生時の胸骨圧迫技術を異なる高さおよび姿勢で実施したときの術者の生体負担と胸骨圧迫の質の変化を総合的に評価し、効率的かつ効果的な要件を提案することを目的としている。平成22年度は、胸骨圧迫時の姿勢の違いやベッドの高さの違いが、心肺蘇生の質とそれに伴う生体負担に与える影響について、文献検討および実験プロトコルの確立のため予備実験を繰り返し行った。第1の実験は、立位姿勢と膝立姿勢で胸骨圧迫を2分間連続実施した時の、質と生体負担の変化を評価した。その結果、胸骨圧迫の質において、膝立姿勢の方が低下することなく実施できたこと、生体負担に関しては、姿勢の違いによる影響は認められなかった。第2の実験は、ベッドの高さに着目し、術者が実施しやすいと感じる高さと人体計測値との関係について評価した。その結果、実施しやすい高さと身長・転子高・肘頭高などの間に正の相関が認められた。また、実施しやすい高さは、傷病者の胸壁が術者の大腿の中央の高さに位置することが明らかとなった。第3の実験は、第1・第2実験のデータをふまえ、胸骨圧迫時の姿勢とベッドの高さの違いが心肺蘇生の質に与える影響について評価した。実験条件を8条件として、胸骨圧迫を2分間連続で実施した。その結果、膝立姿勢や実施しやすいと感じる高さでの胸骨圧迫の実施では、質の低下を防ぐことができた。平成22年度の結果から、心肺蘇生における効果的な胸骨圧迫の要件の提案として、胸骨圧迫時には膝をついて実施すること、立位で実施する場合は、術者の大腿の中央の高さと傷病者の胸壁が等しくなるようベッドの高さを調整することの2点を推奨する。
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Research Products
(1 results)