2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規脳イメージング法により誘発される脳神経活動の検討
Project/Area Number |
22890168
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
河野 舞 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (90586926)
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Keywords | 咀嚼 / 咬合不全 / MRI / MEMRI信号 |
Research Abstract |
当該年度は、『咀嚼刺激や咬合不全の誘発によって脳内でのMEMRI信号が検出できるかどうか』との仮説のもとに、Wistar系ラットに対し塩化マンガンを腹腔内投与し、MRIのT1強調画像を用いて脳組織内のMEMRI信号の検出を試みた。 まず、遮光、遮音の環鏡下における無刺激状態での脳組織内の櫨MRI信号を検出するため、塩化マンガンを腹腔内投与し経時的な変化を観察した。結果としては、塩化マンガン投与後15分が経過した時点で、側脳室および顎顔面の血管系に微量なMEMRI信号の検出が認められ、投与後1時間経過した時点で、明瞭な信号が検出された。さらに投与後約10時間~17時間経過においては海馬や嗅球に顕著な信号の検出が得られたが、24時間後にはMEMRI信号は各部位に拡散し、特定部位による検出が困難となった。次に、咀嚼刺激や咬合不全の誘発によって脳内でのMEMRI信号が検出できるかどうかを確認するため、咀嚼刺激を誘発するために固形飼料を給餌させる群と対照群として固形飼料を給餌させない群の2群を設定した。咀嚼によるMEMRI信号の検出のためにMEMRI測定前24時間に及ぶ絶食を行い、マンガン投与直後より飼育飼料を与えたが、マンガン毒性による副作用によりほとんど飼料摂取が行えないことや、自発行動が低下することから、自発的な咀嚼行為を望むことは困難であることが示唆された。そのため、次年度は咬合接触を人工的に与えるため、歯科のレジン系充填材料を臼歯部歯列に築盛してMEMRI信号の検出を行うこと、また、急性投与によるマンガン毒性を軽減するため、慢性持続的に投与できる装置を体内に埋め込み、MEMRI信号の検出を試みる。
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