2011 Fiscal Year Annual Research Report
抗結核作用を有するベルチヘミプテリドAの合成化学的研究
Project/Area Number |
22890170
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
成田 紘一 東北薬科大学, 薬学部, 助手 (20584460)
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Keywords | ベルチヘミプテリドA / 抗結核薬 / 二量化反応 / 全合成 |
Research Abstract |
本研究は、新規抗結核薬のシーズとして期待されるユニークなジケトピペラジンダイマーであるベルチヘミプテリドAの合成法の確立およびその類縁体合成を視野に入れた合成法を確立することを目的として行った。昨年度はフェニルメンチル基を用いたジアステレオ選択的なアルキル化反応により、基本骨格となるジケトピペラジンの構成アミノ酸ユニットの合成に成功した。しかしながら、フェニルメンチル基の除去が困難であったことから、本年度は合成計画の見直しを行い、チオール基を終盤に導入する合成法により、ベルチヘミプテリドAの全合成達成を目指すこととした。 L-SerおよびL-Pheから導かれるジケトピペラジンに対し、チオール基導入の足掛かりとなる水酸基導入反応について検討を行った。酸化剤としてAgPy_2MnO_4を作用させたところ、Pheのα位に水酸基が導入された化合物を得ることができた。しかしながら、反応時間の延長および等量の検討を行ったものの、Ser残基のα位にも水酸基が導入された化合物を得ることはできなかった。そこで、Glyから導かれるトリカルボニル体に対し、エキソメチレン部位を導入した後、グリニャール試薬を作用させ、続くジヒドロキシル化反応を行ったところ、先程合成することができなかった2つのα位に水酸基を有するジケトピペラジンを合成することができた。このようにして導入した水酸基を足掛かりとして、チオール基導入反応について検討を行った。ジクロロメタン中、トリフルオロ酢酸存在下、PMBチオールを作用させることでジケトピペラジンの2つのα位にチオール基を有する化合物を得ることができた。 現在、PMB基の脱保護、続くジスルフィド結合形成反応を行うことで、ベルチヘミプテリドAのモノマーに相当するエピジチオジケトピペラジンの合成を行っているところである。
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