2011 Fiscal Year Annual Research Report
夜間頻尿に対するツボ刺激によるセルフケア支援モデルの開発と評価
Project/Area Number |
22890174
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
宮崎 彰吾 帝京平成大学, ヒューマンケア学部, 助教 (40581971)
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Keywords | 排尿機能 / セルフケア / 体性感覚 / 触覚 / 経穴 |
Research Abstract |
本研究では夜間頻尿に対するエラストマー製の器具による会陰部への軽い触圧刺激の有効性を検討するため、東京都健康長寿医療センター泌尿器科の協力を得て、平成23年3月から調査参加者を集った。しかし、調査参加者が予想を大幅に下回ったため、当初予定していたランダム化比較試験ではなく介入効果のみを検討した結果、中等度の過活動膀胱と判断される70歳代の男性において1日排尿回数の減少を観察することができた。 一方、健常者の会陰部への軽い触圧刺激による排尿抑制への影響についても補足的に検討した。6名の健常な男性被験者に対し10ml/kgBWの水を15分以内に飲んでもらい、飲水後、持続的かつ中等度以上の尿意を感じ始めたら1分ごとに尿意の強さを記録した。その際尿意を感じ始めた5分後から6分後までの1分間に、エラストマー製のローラーを用いて会陰部または頸部(無効対照)を軽い触圧で、ゆっくり刺激するように被験者に指示した。同一被験者に対して測定を2回実施し、刺激部位はランダムに決定した。刺激部位の違いが尿意の変化に差をもたらすか反復測定による2元配置分散分析で検討した結果、頚部に対して会陰部では有意な差がみられた(P<0.001)。次に、会陰部刺激時の刺激直前を基準に刺激後をBonferroniの不等式による多重比較を行った結果、刺激後2-3分(P<0.05)、刺激後3-4分(P<0.01)で有意な差がみられた。Hottaらの麻酔ラットでの先行研究と同様にヒトにおいても会陰部への軽い皮膚刺激が排尿収縮(尿意)を抑制することが判明した。 近年、排尿障害に対するOTC医薬品や尿パッドの売上高が年々増加していることなどから、セルフケア支援の需要は高まりつつあると予想される。本研究で得られた知見により夜間頻尿などの排尿障害患者のQ0Lを向上させることが可能な新たな手段を提示することができた。
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