2011 Fiscal Year Annual Research Report
骨・軟骨形成における低分子量Gタンパク質Rac1の機能解析
Project/Area Number |
22890180
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
鈴木 大 昭和大学, 歯学部, 助教 (00585797)
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Keywords | 遺伝子 / 発生・分化 / 細胞・組織 / 骨・軟骨 |
Research Abstract |
Rac1はRhoファミリータンパク質に属する低分子量Gタンパク質の一つで、細胞の様々な機能にとって重要な役割を果たしている。しかし、Rac1の骨・軟骨形成における機能に関しては未だ不明な点が多い。申請者はRac1の骨・軟骨形成における作用を検討するために、Rac1遺伝子欠損マウスの解析が必要となった。しかし、Rac1遺伝子を全身で欠損させたマウスは胎生初期で死に至る。そこで本年度は、組織特異的にRac1遺伝子を欠損させるために、Rac1遺伝子エクソン1の上流および下流域にloxP配列を組み込んだマウス(Rac1 flox)とPrx1-Cre Tgマウスを交配させたコンディショナルノックアウトマウス(Rac1fl/fl;Prx1-Cre)を作成した。その結果、Rac1fl/fl;Prx1-Creマウスは頭蓋骨の縫合部および泉門部において癒合不全が認められた。骨格標本作製による詳細な解析により胎児期におけるRac1fl/fl;Prx1-Creマウスの頭頂骨で早期に石灰化が起きていることが明らかとなった。また、Rac1fl/fl;Prx1-Creマウスの頭部から採取した骨芽細胞はコントロールマウスに比べ骨芽細胞分化マーカーの一つであるアルカリホスファターゼの活性が上昇していることがわかった。以上の結果から、Rac1は骨芽細胞分化および石灰化調節に必須であり、Rac1fl/fl;Prx1-Creマウスは骨芽細胞分化が促進することにより、縫合部および泉門部の癒合が開始される前に早期に石灰化が生じるため、頭蓋骨の閉鎖不全を呈するものと推察される。
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