2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22890184
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
舘 慶太 昭和大学, 歯学部, 助教 (90585671)
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Keywords | 骨芽細胞 / 破骨細胞 / 軟骨細胞 / 骨増生 / BMP-2 / TGF-β1 |
Research Abstract |
Bone morphogenetic protein(BMP)は皮下や筋肉内に埋入すると異所性の骨化物を誘導する能力があり、骨の再建に有用と考えられてきた。しかし臨床的に必要な骨量を誘導するには活性が弱く大量のBMPを用いるため、コスト面等の問題が実用化の大きな障壁となっている。我々はTransforming growth factor-β1(TGF-β1)がBMP-2の誘導した異所性の骨化物形成を強力に促進することを見いだした。本研究の目的はTGF-β1とBMP-2を併用することによりBMPの生体内活性を高め、骨の欠損を再建する新しい治療を確立することである。平成22年度はBMP-2やTGF-β1をマウスの後背筋膜下に埋入し、組織塊形成を1-7日まで時系列的に観察していき、各時期の組織塊の組織解析、遺伝子解析等で構成細胞の種類や分化を検討した。解析により埋入2日目の遺伝子解析した結果、骨芽細胞マーカーであるosterix、osteocalcin等の発現が確認され、それらの発現は径時的に発現が増強していった。軟骨細胞マーカーであるcollagen X、aggrecan、破骨細胞マーカーであるcalcitonin receptor, cathepsin Kの発現も同様に確認された。またすべてのマーカーにおいてTGF-β1を含ませた群の方が、発現が早期に確認され発現量も大きかった。また組織解析においてにおいても遺伝子解析の内容を指示する結果となった。これらの解析結果からBMP-2を含ませたコラーゲンスポンジをマウスに埋入した2日目から組織塊形成が顕著になりその組織塊を構成する細胞成分として骨代謝に関わる骨芽細胞、破骨細胞、軟骨細胞の存在が組織レベル、遺伝子レベルで確認された。またTGF-β1を含ませた群の方がそれらの細胞の増殖能、分化が進んでいた。今後はこれらの細胞の分化前の未分化な細胞について研究していくことでTGF-β1による骨増生のメカニズム解析を行っていく。また引き続きその他の動物実験やTGF-β1以外で骨増生を促進する物質も探索していく。
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