2010 Fiscal Year Annual Research Report
看護ケア・エビデンス創出のための臨床研究と系統的レビューの基盤づくりに関する研究
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22890190
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
八重 ゆかり 聖路加看護大学, 看護学部, 助教 (50584447)
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Keywords | 看護ケア / EBN / EBM / 系統的レビュー / ランダム化比較試験 / エビデンス |
Research Abstract |
1. 看護ケア関連研究におけるRCTの実施状況調査と方法論の質評価 2011年2月時点においてUMIN-CTR(大学病院医療情報ネットワーク-臨床試験登録システム)に登録されている全4,897研究のうち、看護研究と判断できたもの(実施責任組織または研究者が看護分野の研究者である、あるいは研究標題から看護ケアに関する研究と判断される)は11件、うちランダム化比較試験(RCT)は6件であった。また、すでに公表されている国内でのRCTを医学中央雑誌Webで検索した結果、「看護」と「ランダム化比較試験」のキーワードが付与されている研究は315件であった。このうち論文標題に"ランダム化比較試験"であることが明示されているもの(ランダム化比較試験の報告の質に関するCONSORT声明では、まず第一に論文標題に明示することを求めている)はわずか15件であり、看護分野においてはRCTの実施と報告の質ともに十分ではない実態が明らかになった。 2. コクラン・システマティック・レビュー(CSR)の実践 研究者らは2010年10月コクラン・コロキアム(コロラド開催)に参加し、CSRの実施に関連する情報収集を行うとともに、コクラン共同計画の中にある52のレビュー・グループのうちの1つ1、Pregnancy and Childbirth Groupに参加しCSR実施のためのプロトコル作成(標題:Ergometrine for bleeding during the postnatal period)に着手した。また来年度には、このプロトコルに基づいて実施するレビューの方法論についてより具体的に学ぶためのトレイニングをPregnancy and Childbirth Group本部(英国リバプール)で受けることとしトレイニング・プログラムを検討した。本レビューが完成すると、看護分野においては日本初のCSRとなる予定である。
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