2010 Fiscal Year Annual Research Report
内因性カンナビノイドを産生する新規ホスファチジルイノシトール代謝経路の解明
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22890193
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
林 康広 帝京大学, 薬学部, 助教 (70582857)
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Keywords | リン脂質 / ホスホリパーゼA / リゾホスファチジルイノシトール |
Research Abstract |
GPR55は脳よりカンナビノイド第3の受容体として同定された。最近、私たちはsn-2位にアラキドン酸を持つ2-arachidonoyl-LPI, sn-1位にステアリン酸を持つ1-stearoyl-LPIが、Gタンパク質共役型レセプターGPR55のリガンドであることを明らかにした。PIを前駆体とするDAG/IP_3経路はプロテインキナーゼCの活性化や細胞内Ca^<2+>濃度を上昇する脂質メッセンジャー経路として知られていたが、LPIがGPR55のアゴニストであることが発見されたことで、PIの代謝物が細胞内シグナル分子(DAG/IP_3経路)としてだけではなく、細胞外からホルモン様作用(新規PI代謝経路)を持つことが明らかになった。PIの構成脂肪酸は特徴的で、1-stearoyl-2-arachidonoyl-PIが多く存在することから、GPR55のアゴニスト2-arachidonoyl-LPIはPIがホスホリパーゼA1(PLA1)により、1-stearoyl-LPIはボスホリパーゼA2(PLA2)により分解され産生すると考えられる。ノックアウトマウスの実験より、GPR55は神経性の痛覚過敏に関わることが明らかになり、創薬のターゲットとして注目を集めているが、PIを基質とするPLA1,PLA2は明らかになっておらず、GPR55のアゴニスト産生メカニズムは謎である。これまでに、PIを基質とするPLA1,PLA2の候補遺伝子の発現ベクターを構築している。
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Research Products
(3 results)