2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22890201
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
中島 新 東邦大学, 医学部, 講師 (60583995)
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Keywords | 変形性関節症 / 自然免疫 / Toll様受容体 |
Research Abstract |
本研究計画では変形性関節症(OA)におけるToll-like receptor(TLR)シグナルの役割を検討するために、研究材料としてOA患者の人工膝関節置換術の際に得られる骨軟骨組織を用いた。なお、関節軟骨および軟骨下骨の正常対象として、手術時に得られる骨軟骨組織の内OA変化のない関節軟骨およびその軟骨下骨を用いた。平成22年度においては、OA関節軟骨および軟骨下骨におけるTLRの発現と局在を明らかにするために免疫組織化学による検討を中心に行った。その結果、進行期のOA症例では関節軟骨細胞においてTLR-2, TLR-4の染色性が正常部に比較して亢進していた。さらに核酸を認識するTLR-3, TLR-9の検討も行ったが、正常部に比して明らかな局在の差異はみられなかった。次に real-time PCRによってTLR-2, TLR-4の発現量を比較した。関節軟骨培養細胞のbasal levelの発現はOA部分と正常部分で明らかな差を認めなかったが、TLR特異的な合成リガンドやIL-1, TNF-aなどの炎症性サイトカイン刺激によって発現誘導をかけると、OA部分において正常部に比較してTLR-2, TLR-4の発現上昇を認めた。このことから、OAにおいては関節軟骨細胞におけるTLR-2, TLR-4を介した炎症シグナルが病態形成において重要な役割を果たしていることが推察された。平成23年度は培養細胞を用いた実験をメインに、OA関節軟骨細胞および軟骨下骨細胞におけるTLRシグナルの役割を解明する予定である。
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Research Products
(9 results)