2011 Fiscal Year Annual Research Report
終末期がん患者の家族における「患者との望ましい療養生活」に関する研究
Project/Area Number |
22890203
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
三條 真紀子 東邦大学, 看護学部, 助教 (70589051)
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Keywords | 看護学 / 緩和ケア / 家族ケア |
Research Abstract |
平成23年度は、これまでの研究結果から得られた「終末期がん患者の家族が望む患者との療養生活」の要素と構成概念の妥当性を検討するために、(1)医療者対象の面接調査をおこなった。さらに、面接調査の内容をふまえて、「終末期のがん患者が望む患者との療養生活」の実態を明らかにするために、(2)終末期がん患者の家族の質問紙調査に関する施設交渉(3)終末期がん患者を看取った遺族対象の質問紙調査を行った。 (1)平成22年度に作成した面接ガイドを用いて、都内の大学病院に勤務する看護職6名を対象とした面接調査を行った。分析の結果、「終末期のがん患者が望む患者との療養生活」の要素および概念に、追加するべき要素および概念はないと判断されたが、言語的修正を加えたほうがよいと考えられた要素の名称について修正を行った。また、分析の結果から、「終末期のがん患者が望む患者との療養生活」を阻害する状況および要因を抽出し、質問紙の内容に含めた。 (2)複数の施設に対して、研究の趣旨説明を行い協力を依頼したが、多くの施設で家族対象の調査に関しては難色が示され、該当期間中の総対象者数が20名に満たない状況であった。そのため、対象を終末期全体の看取りのプロセスを評価できる遺族に変更した。遺族調査のサンプリングは、インターネットリサーチの手法をとることとした。 (3)5年以内にがんで家族を亡くした20歳以上80歳未満の遺族(主介護者)134名を対象として、質問紙調査を行った。60%が実の親を、21%が祖父母を、11%が義理の親を看取った経験について回答し、望んでいたことがかなえられなかったものは65%であり、一緒に過ごすことや旅行などで思い出をつくること、患者が希望する療養環境を整えることなどが難しかったと回答するものが多かった。今後は望ましい療養が阻害された要因に関する質的分析を進め、対策を検討していく。
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