2010 Fiscal Year Annual Research Report
散瞳時の光環境が超早産児に及ぼす影響-ストレス行動評価による分析-
Project/Area Number |
22890206
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
堀金 幸栄 日本赤十字看護大学, 看護学部, 助手 (90588857)
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Keywords | 超早産児 / 光環境 / ストレス指標 / 唾液コルチゾール / 散瞳 |
Research Abstract |
【研究目的】散瞳時の光環境が超早産児に及ぼす影響について明らかにする。 【研究方法】2010年10月~2011年2月の期間に、東京都都内地域周産期母子医療センターNICUに入院している超早産児4名を対象とした。対象児の代諾者へ研究の趣旨、自由意思の尊重、個人情報の遵守について説明し了承を得た。研究実施に先立ち、大学研究倫理審査と協力施設の倫理審査会の承認を得た。光環境の定義として、保育器の上に遮光カバーをかけた環境を低照度(実験群)とし、保育器の照明を1灯つけた環境を通常処置時照度(対照群)とした。対象児の代諾者による承認が得られた後、眼底検査が予定されている対象児に対し、1週目低照度、2週目通常処置時照度、あるいは1週目通常処置時照度、2週目低照度の順番を無作為に割り当てた。散瞳薬は眼底検査の前処置として受持ち看護師によってミドリンPが3回投与された。行動学的反応は2方向からVTRで撮影した。唾液は通常使用しているチューブを用いて受持ち看護師によって吸引され、専用の容器に採取した。照度はコニカミノルタ(検定済)を用いて測定し、バックグラウンドノイズは小野測器高機能積分精密騒音計LA-5560(検定済)を用いて対象児の頭部周辺で測定した。非散瞳時にも同様に観察を行い、対象児一人につき4日間観察を行った。 【研究成果】(1)行動学的反応:運動系、状態系、注意相互作用系、睡眠覚醒レベルの変化を各2分間ずつVTRで撮影し、対象児4名の合計16場面のデータが得られた。今後、Alsのストレスサインの行動評価を用い、専門家と分析する。(2)唾液コルチゾール:対象児4名16検体を液体クロマトグラフィ/タンデム型質量分析(LC-MS/MS)法により分析した。コルチゾール(0.04ng/g~10.57ng/g)とDHEAO.17ng/g~23.97ng/g)のデータが得られた。今後、実験群と対照群の2群間の検定を行っていく。これらの研究成果を論文にまとめ公表する予定である。
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