2010 Fiscal Year Annual Research Report
在宅療養者の介護者の就労と余暇活動が介護者の精神健康に及ぼす影響に関する研究
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22890208
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
大宮 朋子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 助教 (90589607)
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Keywords | 在宅介護者 / 就労 / 余暇活動 / 精神健康 / 介護負担感 / 介護継続 / がん / 認知症 |
Research Abstract |
平成22年度は、23年度に行う質問紙調査(本調査)のために文献レビューと主介護者7ケース9名へのインタビューを行った。文献は、在宅介護と就労、余暇活動をキーワードに和文は医中誌、英文はpubmedで行った。文献検討の結果、就労や余暇活動が介護者の精神健康に良好な影響を及ぼしている可能性が考えられたが、量的な分析・検討は限られていた。療養者側の特性として、がんや認知症といった療養特性や疾患名で検討しているものは少なかった。 インタビューは2010年11月~2011年3月に男性5名、女性4名に実施した。対象者の年齢は50代~70代、療養者は50代~100歳であった。就労している対象者は7名、退職した者は1名、元々就労していない者は1名であった。療養者は、脳性麻痺1名、ガン3名、認知症2名、その他(高血圧等高齢によるもの)3名であった。 インタビューの結果、認知症や脳性麻痺など相手との意思疎通が難しい場合の介護負担感が強かった。自営等で介護者も自宅で見守りが出来る場合は就労継続しやすく、療養者が自宅で一人で過ごせる時間がどのくらいであるかが就労や余暇活動の制限のカギを握っていた。就労や余暇活動は、介護者の生きがいや精神健康回復のきっかけとなっていたが、全員が何らかの形で余暇活動や就労を制限されていた。訪問看護師の存在や、同じ介護者の友人との交流が介護者の心の支えとなっていた。ターミナルの者の介護者は働き方を変えるなどしていたが(パートなど)、その他の場合は長期療養を覚悟して働き方を変えないなど、療養の状況によって対応の違いがあることが推察できた。
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