2011 Fiscal Year Annual Research Report
In vitro口腔発がん可視化モデルを用いた浸潤様式・転移機序の解析
Project/Area Number |
22890225
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
頭司 雄介 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (80581206)
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Keywords | 口腔がん / 発がん / HPV / EGFR |
Research Abstract |
<研究の目的> 口腔がんにおける発がんの責任遺伝子を明らかにするため、ヒト正常口腔粘膜上皮細胞に腫瘍原性をもたらす遺伝子(発現)異常の組み合わせをHPV陽性、陰性の場合に分けて同定する。口腔がんの悪性度と遺伝子(発現)異常の組み合わせの間の相関を明らかにし、それらの遺伝子異常を標的とした治療法の各悪性度における妥当性を検討する。 <研究実施計画> ヒト正常口腔粘膜上皮細胞にHPV16 E6E7を導入、もしくはcdk4,cyclin D1,hTERTを導入することにより不死化した。これらの細胞に口腔扁平上皮がんとの関連が示唆されているがん遺伝子(erbB1もしくはHras,とcMyc)やドミナントネガティブp53をレトロウイルスを用いて遺伝子導入することにより、人為的に形質転換させることに成功した。すなわち、HPV陽性ならびに陰性の口腔扁平上皮がんのin vitro多段階発がんモデルを確立した。これらのモデルはヒト口腔扁平上皮がんで見つかる異常とがん化・がん形質の維持における意義を明らかにする上で重要な役割を果たすと考えられる。口腔がんの浸潤先端部・転移巣で特異的に発現の変化する遺伝子・蛋白質群を検索し、HPV陽性モデルと陰性モデルの場合分けをした上で、悪性度に関わる遺伝子異常とその組み合わせを明らかにした。Poly HEMAでコートした、培養プレートを用いて足場非依存性に増殖した細胞を経時的に回収し(免疫染色法、ウエスタンブロット法)、腫瘍形成初期の増殖に重要な遺伝子の同定を目指したが、まだ結果が得られていない。今後も口腔がんのがん関連遺伝子異常、さらには転移関連遺伝子異常の解析に取り組む。口腔がんにおける責任遺伝子の一つにErbB1ということが示唆されてきており、抗がん剤耐性との関連などさらなる解析を進める。
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Research Products
(4 results)