2011 Fiscal Year Annual Research Report
神経芽腫の発がんにおけるMYCNアンチセンス遺伝子(NCYM)の機能解析
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22890241
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
末永 雄介 千葉県がんセンター(研究所), 研究局・がん治療開発グループ, 研究員 (80581793)
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Keywords | NCYM / MYCN / 神経芽腫 / Natural Antisense RNA / 遺伝子増幅 / p53ファミリー遺伝子 / GSK3 / p63 |
Research Abstract |
がん遺伝子MYCNは神経芽腫において高頻度に遺伝子増幅し、神経芽腫の発生および悪性化を制御する。実際、ヒトMYCNを交感神経系において強制発現させたマウス(以下、MYCN tgマウス)は神経芽腫を自然発生するなど神経芽腫の発生に中心的役割を担うことが示されている。1990年、MYCN遺伝子領域のアンチセンスDNA鎖からmRNAが転写されることが示され、このアンチセンス転写産物はNCYMと命名された。NCYMはMYCNとともに神経芽腫予後不良群において増幅し、過剰発現することが示されていたが、その生理的機能は明らかではなかった。本研究において我々はNCYMが核内タンパク質をコードし、MYCNタンパク質の安定化に寄与することを明らかにした。MYCNタンパク質の安定性はGSK3βによるリン酸化とそれに続くユビキチンプロテアソーム系による分解によって制御されるが、我々の研究によりNCYMタンパク質が直接的にMYCNタンパク質及びGSK3βに結合し、GSK3βによるMYCNタンパク質のリン酸化を阻害することを明らかにした。さらに、交感神経系において特異的にNCYMを強制発現するマウス(NCYM tgマウス)を作成し、MYCN tgマウスと交配させ、NCYM/MYCN tgマウスを作出した。このマウスはMYCNtgマウスに比べ遠隔転移の頻度が上昇し、生体内においてNCYMは神経芽腫の悪性化に寄与することが示された。
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Research Products
(4 results)