2010 Fiscal Year Annual Research Report
SOCS1アンタゴニストを組み込んだBCGを用いた新規結核ワクチンの開発
Project/Area Number |
22890255
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Research Institution | 独立行政法人医薬基盤研究所 |
Principal Investigator |
渡邉 健太 独立行政法人医薬基盤研究所, 霊長類医科学研究センター, 研究員 (20582208)
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Keywords | 結核ワクチン / BCG / SOCS1 |
Research Abstract |
現在、結核ワクチンとして世界中で広く用いられているBCGに代わる、より効果的な結核ワクチンの確立を目指し、免疫原性を高めた組換えBCGワクチンによる新たな結核予防方法の開発を行った。平成22年度の研究においては、サイトカインシグナル制御因子であるSOCS(Suppressor of Cytokine Signaling)分子のアンタゴニスト遺伝子を組み込み、この分子を発現するリコンビナントBCG(rSOCS1-DN/BCG)を確立した。これをマウスに免疫し、既存のBCGと比較した免疫反応の解析とワクチン効果についての検討を行った。結果、rSOCS1-DN/BCG免疫マウスにおいて、インターフェロンγ(IFN-γ)特異的なELISPOT反応で、BCGと有意な差が認められた。また、抗原刺激に特異的な各種サイトカインの分泌においても同様の上昇が認められ、rSOCS1-DN/BCGが既存のBCGと比較して高い免疫効果を持つことが示された。また、マクロファージ系培養細胞を用いたin vitroでの解析も行ったところ、発現したSOCSI-DN分子が細胞内で機能し、rSOCS1-DN/BCGを貪食したマクロファージがより活性化することが分子レベルで示された。これらの結果は、rSOCS1-DN/BCGが有効な結核ワクチンとして機能することを示唆するものであり、今までには無い、新しい結核予防法の確立が可能であることを示すものである。以上の結果を踏まえた上で、今後の計画として、rSOCS1-DN/BCG免疫マウスにおける結核菌攻撃接種実験を行い、ワクチンによる防御効果を判定し、最も高くワクチン効果が得られるrSOCS1-DN/BCGの使用方法の確立を目指す。
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