2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22F22108
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高柳 広 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (20334229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YAN MINGLU 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | 関節リウマチ |
Outline of Annual Research Achievements |
われわれはこれまでに関節リウマチにおいて滑膜線維芽細胞が炎症を誘導するだけでなく、破骨細胞誘導因子RANKLを産生するおもな細胞として骨破壊を誘導することを報告してきた。しかし骨破壊を誘導する、組織破壊型の滑膜線維芽細胞がつくられる仕組みは不明であった。 本研究により、まず関節リウマチ患者由来の滑膜線維芽細胞のエピゲノム解析により、滑膜線維芽細胞においてRANKLの発現に重要な役割を果たすエンハンサー領域の候補を複数同定した。そのなかでエンハンサー領域E3がRANKL発現に最も重要であり、滑膜線維芽細胞特異的に活性化が認められることを見出した。エンハンサー領域E3に結合する転写因子としてETS1を同定し、ETS1がRANKLだけでなく軟骨を破壊するたんぱく質であるマトリクスメタロプロテアーゼの発現を誘導することで、骨軟骨の破壊に寄与することを見出した。滑膜線維芽細胞のみETS1を欠損させたマウスを新たに作製し、関節炎を誘導すると炎症には影響がないものの骨と軟骨の破壊が共に抑制されたことから、ETS1が骨・軟骨を破壊する組織破壊型の滑膜線維芽細胞の機能や運命決定を司る遺伝子であることが明らかとなった。さらにETS1は関節リウマチだけでなく腸炎やがんの病態形成に関わる組織破壊型の線維芽細胞のサブセットにも高く発現しており、組織破壊型の線維芽細胞の形成を通じてさまざまな疾患に関わる可能性が示唆された。本研究は組織破壊型の線維芽細胞を標的とした治療法の開発に大きく貢献するものと期待される。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(7 results)