2022 Fiscal Year Annual Research Report
A Comprehensive Survey of the Nozaki Art Collection: Cultural Properties of the Salt Barons in Bizen Kojima (Okayama Prefecture)
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22H00006
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Research Institution | Kyoto National Museum |
Principal Investigator |
永島 明子 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部列品管理室, 室長 (90321554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安永 拓世 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 文化財情報資料部, 室長 (10753642)
福士 雄也 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部保存修理指導室, 主任研究員 (50747334)
呉 孟晋 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (50567922)
尾野 善裕 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部, 部長 (40280531)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 文化財 / 美術 / 工芸 / 商家 / 岡山 / 旧家 / 土蔵 / コレクション |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度であった2022年度は、コロナ禍の影響の残るなか、データベースの仕様についてリモートによるの相談を重ね、すでに調査の進んでいた陶磁器のデータを活用し、クラウド利用による暫定版の試運転を開始することができた。絵画については、199件の作品を調査し、12350カットの画像を蓄積した。漆工については、新蔵の懐石道具や喫煙具を中心に136件の作品を調査し、887カットの画像を蓄積した。画像を安全に蓄積し、京都国立博物館内で効率良く参照するために、京都国立博物館内にファイルサーバを整備した。漆工の調査については、調査地である野﨑家において、長期にわたって土蔵に安置されていた食器の梱包を解き、清掃し、壊れた箱を直すなどを行うため、事前準備に相当の手間を要する。しかし、作業の補助を依頼する美術運送会社がコロナ禍の反動で多忙を極め、思い通りに手配できなかったため、調査費の5年度への繰り越しを申請して対応した。科学研究費の投入後、調査のペースが各段に上がり、調査を受け入れる所蔵館、野﨑家塩業歴史館の担当者には大きな負担ではあったが、新しい体勢も整い、調査参加者の役割分担も明確になり、巨大な新蔵の内部を整理整頓する道筋が見えてきた。懐石道具については、同じような用途の数十人前の食器が複数組みあり、機会に応じて趣向を変えた宴会を演出していたことが窺われた。箱書きなどから、能登半島、輪島の漆器商が定期的に納品と注文取りに入っていたことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
美術運送会社の手配が思い通りでなかったこともあり、令和4年度の作業を令和5年度に繰り越して行ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度である2022年度に整った調査体勢のもと、2023年度以降も粛々と調査を進め、蓄積されたデータをデジタル化し、新たに整備したDBに登録して、関連作品を検索しながら調査を進められるようにしたい。
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